大聖堂の音響を見事に捉えた優秀録音!
少年時代にマントヴァ公国でペスト禍と戦争の地獄を経験したイタリア・バロックの作曲家、マウリツィオ・カッツァーティが書いた心優しく美しい作品のコレクション。気分転換用にカッツァーティと関わりのあった3人の作曲家のオルガン小品も収録。
演奏は日本人ソプラノと、スイスのオルガニスト、ヴァイオリニスト2人によるもので、これは当時のボローニャ大聖堂での、アンサンブルの低音部をよくオルガンで演奏したという記録に従ったものだとか。使用したオルガンはカッツァーティと同時代に活躍したスイス、フリブールの製作者によるもので、適度な間接音で混濁なく低音も豊かなサウンドはオーディオ的にも魅力十分です。
作品情報
◆カッツァーティ:「サルヴェ・レジーナ」(トラック1)
9分24秒。ソプラノとヴァイオリン、オルガンによる演奏。大聖堂に響き渡るソプラノを堪能できる愛らしい名曲。5分過ぎからの内省的な音楽など少しオペラ的でもある表現の豊かさがカッツァーティの独自性を伝えます。
◆カッツァーティ:7つの音によるカプリッチョ(トラック2)
5分27秒。ヴァイオリンとオルガンによる演奏。楽し気な曲調でヴァイオリンとオルガンの対話も印象的。
◆カッツァーティ:ソナタ第7番「ラ・ロッセッラ」(トラック3)
3分41秒。ヴァイオリンとオルガンによる演奏。後年のコレッリを思わせるような部分もある魅力的な曲。
◆カッツァーティ:「主よ、われに救いをなしたまえ」(トラック4)
4分59秒。ソプラノとオルガンによる演奏。救済を求め、切々とイエスに慈悲を願うほの暗く美しい曲。
◆カッツァーティ:ソナタ第12番「ラ・ストロッツァ」(トラック5)
3分12秒。ヴァイオリンとオルガンによる演奏。タイトルの「ラ・ストロッツァ」はフェラーラ近郊の田園地帯の地名と思われます。
◆コロンナ:ソナタ第7番(トラック6)
3分17秒。オルガンによる演奏。ジョヴァンニ・パオロ・コロンナ[1637-1695]は、ボローニャ時代のカッツァーティのもとでオルガニストを務めていた人物。カッツァーティ楽長就任の翌年、1658年9月から第2オルガン奏者として雇用され、1661年に第1オルガン奏者に昇格。カッツァーティが辞任した1971年には副楽長となり、3年後の1674年11月にはコンクールを経て楽長に就任しています。
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発売・販売元 提供資料(2023/08/01)
◆カッツァーティ:「おお、天よ」(トラック7)
5分43秒。ソプラノとヴァイオリン、オルガンによる演奏。喜ばしいテキストにふさわしい曲調。
◆カッツァーティ:カンツォーネ第3番「ラ・マウリツィア」(トラック8)
4分41秒。ヴァイオリンとオルガンによる演奏。初期の作品。タイトルの意味は不明ですが、自分の名前にかけた言葉遊びの名刺代わりの曲なのでしょうか。接続曲的で変化に富む自由な曲調で楽しめます。
◆パスクイーニ:ソナタ(トラック9)
3分15秒。オルガンによる演奏。ベルナルド・パスクイーニ[1637-1710]は、13歳の1650年からフェラーラのアカデミア・デッラ・モルテで学び、16歳の1653年には同校のオルガニストとなった人物。カッツァーティは1649年から1653年まで同校礼拝堂で働いていたので、4年間は一緒でした。
◆カッツァーティ:「誰が戦争をするのか」(トラック10)
6分37秒。ソプラノとオルガンによる演奏。戦争に関するテキストで不安な曲調から勇まし気な曲調に進みます。
◆カッツァーティ:ソナタ・ラ・タナーラ(トラック11)
4分55秒。ヴァイオリンとオルガンによる演奏。後期の作品。タナーラは北イタリア、ピエモンテの山間部の地名と思われます。オルガンの低音の上に浮遊するようなヴァイオリンの響きが素晴らしい作品。
◆カッツァーティ:イタリア風クーラントと様々なパルティータ(トラック12)
4分26秒。ヴァイオリンとオルガンによる演奏。流麗な舞曲とパルティータの組み合わせ。
◆アッレースティ:ソナタ第18番「ピエーナ」(トラック13)
2分33秒。オルガンによる演奏。ジューリオ・チェーザレ・アッレースティ[1619-1701]の名前は「ジュリアス・シーザー逮捕」という意味なので、幼少期の人格形成に多少の影響があったのかもしれませんが、アッレースティのカッツァーティへの攻撃と侮辱は度を越したものでした。ちなみに「カッツァーティ」には愚かな行為とかつまらないもの、デタラメ、くたばれといった意味があります。
◆カッツァーティ:「大地からの歓喜」(トラック14)
6分51秒。ソプラノとヴァイオリン、オルガンによる演奏。マリア讃美のテキストによる喜ばしく美しい曲。
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発売・販売元 提供資料(2023/08/01)
<小野綾子(ソプラノ)>
宮城学院女子大学音楽学部声楽科卒業。2017年イタリア・ミラノ市立音楽院・ルネッサンス、バロック声楽科修士課程を首席で卒業。イタリア・ヴィンチ国際バロックコンクールソロ部門、及びアンサンブル部門(古楽アンサンブル〈イル・メルロ〉)共に第1位受賞。ミラノ国際博覧会、芸術音楽祭、ローマ・バロックフェスティバルでソプラノソリストを務める他、ミラノ大聖堂やスフォルツェスコ城などイタリア各地でソリスト、アンサンブルメンバーとして活動し、ジャンルーカ・カプアーノが指揮するカント・ディ・オルフェオのメンバーとしても出演。また、スイスのフリブールでソプラノ・ソリストとしてコンサートに度々出演。日本では、ヘンデル「メサイア」、ベートーベン交響曲第9番でソリストとして仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演する他、宮城県、東京を中心に活動中。
<マルク・マイゼル(オルガン)>
パリ国立高等音楽院とバーゼルのスコラ・カントルムで初期鍵盤楽器を学び、2011年にはライナッハ・バーゼルラントシャフトのミシェーリ・コンツェルトのディレクターに就任。
<クリストフ・ルドルフ(バロック・ヴァイオリン)>
ジュネーヴ古楽センターでオディール・エドゥアールに、バーゼルのスコラ・カントルムでキアラ・バンキーニにバロック・ヴァイオリンを師事。バーゼルではオーケストラおよび室内楽奏者として活動し、バロック・オーケストラ「カプリッチョ」と「ラ・チェトラ」にも所属。また、ザンクト・ガレン管弦楽団、イル・プロフォンド(バーゼル)、ヴェニス・バロック・オーケストラなどのアンサンブルとも定期的に共演。
<クリストフ・リード(バロック・ヴァイオリン)>
バロック・ヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者として、歴史的背景を踏まえた演奏活動を行う数多くのアンサンブルで活躍。ジュネーヴ、バーゼル、ミラノでバロック・ヴァイオリンをオディール・エドゥアール、エレーヌ・シュミット、ダヴィッド・プランティエ、エンリコ・ガッティ、オリヴィア・チェントゥリオーニ、ステファノ・モンタナーリに師事。音楽学者としても活躍。
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発売・販売元 提供資料(2023/08/01)