| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2023年06月28日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524232765 |
| ページ数 | 176 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
【書評1】
「安西先生,バスケ(コミュニケーション)は上手くなりますか?」
本書のカバーには「コミュニケーションって学べるの?」と大きく書かれている.「小手先のコミュニケーション技術なんて本当に役に立つの?」「上手い人は上手いし,下手な人は下手だよね」などは,コミュニケーション技術関連の書籍へのよく聞かれる感想だ.「コミュニケーションを学ぶ」というのはなかなかピンとこないが,対人スポーツでの技術の考え方に似ているので,ここでは一昨年(2022年)に映画が大ヒットし(評者は連載世代であった)『SLAM DUNK』を例にして,本書の解説を試みる.
ご存じの方も多いだろうが,『SLAM DUNK』は主人公が一目ぼれした女の子にもてるためにバスケットボールを始め,仲間やライバルとのドラマを通じて徐々にバスケットボールの魅力に目覚めていく,スポーツ漫画の金字塔の一つだ.バスケットボール初心者の主人公は,当初その恵まれた体格や身体能力(素質)でそれなりの力を示すが,試合でライバルに太刀打ちできなかった.コミュニケーションも同様で,とくに練習などしなくても相手の気持ちを察したり,わかりやすい説明が上手な方がいる.ただ,本書で扱っているような難治性の疾患の治療や予後に関する患者とのコミュニケーションに役立てられるかについては,素質だけで十分ではないと思う.
『SLAM DUNK』では,自分の限界に気づいた主人公がドリブル,シュートといった基礎技術の練習を始める.コミュニケーション技法や,行動経済学的な情報の伝え方などが書かれた本書の第1章「コミュニケーションの大原則」がこれに当たる.ただ,『SLAM DUNK』でも,対戦相手がいて流れもある試合のなかで,練習した基礎技術を発揮することは容易ではない.患者ごとに違った対応が必要なコミュニケーションでも同様で,コミュニケーション技術を学んだところで使えない,と感じてしまう一因だろう.
主人公は徹底的な反復練習で基礎をスキルアップして徐々に,相手が自分の身長より高い場合の動き方や,チームメイトの活かし方など,試合中の駆け引きも学んでいく.また自分が目立つことではなく,チームの勝利をアウトカムとして意識するようになる.本書の第2章,第3章で解説される,患者がすごく怒っている場合,理解がわるいと感じる場合,認知症の場合など,さまざまな実践での状況がこれに当たる.「うまく説明できること」ではなく,状況を理解して納得できる最善のアウトカムを患者とのチームで導くコミュニケーションのためのヒントが書かれている.
基礎的な技術を身につけて,場面や相手の状況を分析し,チームメイトと連携して患者のために望ましい結果を考えることができれば,コミュニケーション(バスケ?)は上手くなります,というのが冒頭の問いへの答えである.本書を読むことで,臨床家にとって重要なスキルであるコミュニケーションのレベルを一段上げていただきたい.
臨床雑誌内科133巻2号(2024年2月号)より転載
評者●秋月伸哉(都立駒込病院精神腫瘍科・メンタルクリニック 部長)
【書評2】
大きな声では言えないけれど,「コミュニケーションがちょっと苦手……」と,感じている方も少なくないのではないでしょうか.また,患者さんとのやりとりや,職場の上司やチームのメンバー...
緩和ケアという森にはさまざまな木(テーマ)が生えている.そんな森に足を踏み入れようとしているあなたに,初心者時代の記憶新しい著者らが記す,<緩和ケアの"超入門書"シリーズ>!!
本巻では緩和ケアにおける患者・家族とのコミュニケーションを扱う.基本的な大原則とスキルの紹介から,希死念慮や怒りなどの困難なケース,悩ましい病態ごとに考え方とその対応を解説.緩和ケア専門家でなくともコミュニケーション力の向上に役立てられる一冊.
【目次】
第1章 コミュニケーションの大原則
1.難治性疾患の患者の心理と患者・家族とのコミュニケーション
2.コミュニケーションで大失敗しないために ~コミュニケーションスキルと行動経済学~
3.つらい想いの患者を支える ~スピリチュアルペインとスピリチュアルケア~
第2章 実際にどうする? 難しい場面での対応
1.希死念慮 ~「死にたい」と言っている~
2.怒り ~すごく怒っている~
3.不安 ~眠れない・じっとしていられない~
4.説明しても「理解が悪い」と感じるとき
第3章 実際にどうする? 悩ましい疾患・障害での対応
1.不安障害・うつ病 ~不安の強い患者で考えること~
2.認知症 ~コミュニケーションが難しいし,これからのことはどうやって決めよう?~
3.発達障害 ~こだわりの強い患者で考えること~
4.パーソナリティ障害 ~振り回されて労力のいる患者で考えること~

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