ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内管弦楽団の首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。 (C)RS
JMD(2023/06/28)
【アダム・フィッシャー、ハイドンへ還る。後期交響曲の再録音がスタート!】
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内管弦楽団の首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。
アダム・フィッシャーはハイドンの全交響曲を演奏するためにオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団を組織し、ハイドンゆかりのエステルハージ宮で1987年から2001年にかけてNimbusレーベルに録音を行いました。それらは50人ほどに絞り込まれたオーケストラによる見通しの良いサウンドと、緩急のコントラストが利いた解釈、録音会場の音響を生かしたまろやかなサウンドが印象的に残るものです。
デンマーク室内管との再録音はそれらに比べると、更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈になっています。流れるようなスピード感のあるフレージングには古楽演奏の影響が聞き取れますが、オーケストラの伸縮自在な演奏ぶりからは、このスタイルが彼らのスタンダードとなっていることがうかがわれます。弓使いにも工夫を凝らし、通常よりも生き生きとした効果が得られるためのリコシェ(跳弓)などのテクニックを意図的に使っています。
新旧比較で顕著な違いがあるのはメヌエット楽章で、恰幅の良い旧盤に対して新盤のステップの速さと滑らかさは別次元。他にも第93番の最終楽章は「これぞプレスト!」と快哉を叫びたくなる疾走感、第94番の第2楽章冒頭での無音かと思えるほどの再弱音から一転しての強烈な一撃はまさに「驚愕」。原盤解説で「コンサートと同じようにレコーディングでも聴衆を魅了することを願っています」とアダム・フィッシャーが語るように、ライヴ感に満ちた演奏で、大注目のプロジェクトです。
演奏時間比較(旧盤/新盤の順) 第93番:24'12/20'35、第94番:23:43/21'12、第95番:21:16/18:32
※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。
ナクソス・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2023/06/26)
アダム・フィッシャーのハイドン交響曲演奏は新しいアイデアを吸収し進化を続ける。約30年前にNimbusレーベルでの交響曲全集録音の初期に取り組み、数曲はMDGレーベルでの再録音もあるロンドン・セットの新録音が実現。次々と斬新な音が繰り出され、軽やかな歌と全力の快速アレグロが楽しくて何度も聴いてしまう。デンマーク室内管弦楽団は存続危機を乗り越えて、アダム・フィッシャーとの公演を大切にし、そこで高い評価を得てウィーン、グラーツ、ザルツブルクにも招聘される存在に。94番のお約束の爆発音の衝撃は随一のもの。珍しい短調の作品95番もフィナーレのコロコロ変化する表情の表現が見事。
intoxicate (C)雨海秀和
タワーレコード(vol.165(2023年8月20日発行号)掲載)