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「世界史」の誕生 ヨーロッパ中心史観の淵源

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フォーマット 書籍
発売日 2023年06月28日
国内/輸入 国内
出版社ミネルヴァ書房
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784623095254
ページ数 304
判型 A5

構成数 : 1枚

はじめに

第1章 キリスト教的「普遍史」の世界
1 「普遍史」の支配と危機
(1)『神の国』の世界史――「一体的存在としての人類」の歴史
(2)普遍史の危機
2 ボシュエの『普遍史』 
3 上原専禄の問題提起

第2章 「科学的」世界史の模索
1 ヴィーコ『新しい学』――デカルト批判
2 ヴィーコの世界史像
3 キリスト教的史観との関係

第3章 啓蒙主義の世界史
1 新しい地平 
2 イギリスの啓蒙主義的歴史
3 啓蒙主義的世界史の試み――ヴォルテール
(1)ヴォルテールの世界史
(2)ヴォルテールの歴史の方法
(3)ヴォルテールの世界史の構成
(4)ヴォルテールの世界史の方法
(5)ヴォルテールのアジア(=非ヨーロッパ)論
4 「普遍史」批判の展開――クロード・F・ミロ
(1)ミロの歴史の方法
(2)ミロの古代史論
(3)ミロの近代史論
(4)ミロのアジア(=非ヨーロッパ)論
(5)ミロの世界像とは
5 『両インド史』の可能性――ギヨーム=トマ・レーナル
(1)百科全書派の産物
(2)『両インド史』の構成
(3)世界史論としての特徴
6 啓蒙主義の歴史論と世界史観

第4章 多元的世界史の試み
1 カントの『普遍史の理念』 
2 ヘルダーの多元的世界史
(1)ヘルダーの位置づけ
(2)『人類の歴史哲学考』――フォルクの多元性
(3)人間自身の歴史
(4)世界史の方法――多元的発展
3 ヴィーコとヘルダー

第5章 「普遍史」からの脱却へ
1 スコットランドとアイルランドからの世界史 
(1)スコットランドからの世界史――A・F・タイトラー『一般史の諸要素』
(2)アイルランドからの近代的世界史――T・カイトリー『歴史概論』
(3)アイルランドからの「帝国的」世界史――W・C・テイラー『古代・近代史のマニュアル』
2 フランス的世界史へ――ギゾーとミシュレ
3 ドイツにおける脱「普遍史」の成果――ヘーゲルとランケへ 
(1)脱聖書の世界史
(2)「聖史」と世俗史の「折衷型」世界史
(3)ヘーゲルの「歴史哲学」に見る世界史
(4)ランケ⑴――実証主義の「世界史」へ
4 アメリカにおける「普遍史」の名残
(1)ヨーロッパの世界史の「輸入」
(2)アメリカ「自前」の「世界史」
(3)日本にもたらされた「世界史」

第6章 実証主義の歴史学とヨーロッパ中心の世界史
1 コントの「実証主義」
2 ドイツにおける実証主義の世界史――ランケ
(1)脱聖書の苦悩――G・ヴェーバーの世界史
(2)ランケ⑵――世界史への一歩『近代史の諸時代』
(3)ヨーロッパ中心の実証主義的世界史の浸透
3 イギリスにおける実証主義と世界史
(1)最後の「折衷型」「世界史」――H・ホワイトの教科書
(2)チェンバースの同時代史的世界史
(3)世界文明史への道――バックル『イングランド文明史』
(4)ダーウィン『種の起源』と「適者生存」
4 マルクス・エンゲルスの世界史論 
(1)中心からの世界史
(2)周縁と「連動」する世界史
(3)発展段階論と世界史

第7章 ナショナル・ヒストリーと世界史
1 人種的世界史の登場――フリーマンとスウィントン
(1)E・A・フリーマンの人種的世界史
(2)W・スウィントンの人種的世界史
2 ナショナル・ヒストリーの支配
(1)イギリスにおける歴史の専門職業化
(2)ドイツ―プロイセン国家史
3 世界史とナショナル・ヒストリー――ランケ⑶
(1)『世界史』の方法
(2)『世界史』の構成
(3)『世界史』の特徴
4 ナショナル・ヒストリーへの抵抗――ブルクハルトとアクトン
(1)ブルクハルト『世界史的考察』
(2)アクトンと『ケンブリッジ近代史』――ランケとの葛藤
5 アメリカにおけるランケ的世界史――G・P・フィッシャー
(1)フィッシャー『ユニヴァーサル・ヒストリー概論』の方法
(2)『ユニヴァーサル・ヒストリー概論』の構成

参考文献
おわりに
人名索引

  1. 1.[書籍]

戦後から現在に至るまで、歴史研究では「ナショナル・ヒストリー」の限界が叫ばれ、「ヨーロッパ中心史観」からの脱却が指向されてきた。しかしヨーロッパ中心史観自体が、どのような内容と論理をもって形成されてきたのかは、必ずしも明らかではない。本書は、ヨーロッパ、北アメリカにおいて、世界史がいかにして形成され、幕末から明治維新以後の日本にいかなる影響を及ぼしたか、膨大な先行研究を咀嚼のうえ明らかにする。

作品の情報

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著者: 南塚信吾

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