名サンバジャズ・トリオ=タンバ・トリオが1974年に残した「早すぎた音響派」。通称ブラック・タンバが歓喜のLPリイシュー!
ジャズとサンバを融合させたジャズボサ(サンバジャズ)ムーヴメントをけん引したタンバ・トリオが、しばしの活動停止ののち1974年に録音した2枚の名作『Tamba』と『Tamba Trio』。判別のしづらいアルバム・タイトルゆえ、ジャケットのカラーをとって"ブラックタンバ"、"ブルータンバ"ともよばれる2作だが、それまでのジャズボサ・スタイルとは一線を画す実験的な音楽性でカルト的な人気を誇るのが、このブラックタンバだ。
妙なるコーラスワークとエレクトロニックなサウンドを融合し理想的なクロスオーバー以降のサンバジャズを示すかのような「Se e Questao de Adeus Ate Logo」で始まる本作だが、真骨頂はそれ以降の楽曲にあるだろう。ミリートの手作りパーカッションキット"タンバ"が生み出す多彩な打楽器アンサンブルと、エサのスペーシーなシンセ、ベベートのエレガントなフルートがまるでユーロ・ライブラリーのようなアブストラクトな世界観を創出する「Mestre Bimba」「Quadros」「Reflexos」、エサ&ベベートのとろけるようなエレピに身も心もほだされる「Pra Machucar Meu Coracao / Rosa Maria / Nao Tenho Lagrimas」、さらにはただただポルトガル語で数字を数えていく「Infinito」といった曲まで。
ルイス・エサ、ベベート、エルシオ・ミリートの3人が粘土になってしまったジャケット・アートワークが示す通り、どこかこの世のものとは思えない世界観と、各人がそれぞれに探求してきた音楽性が奇跡的に融合。音響派的感覚を先取りしていたともいえる、当時のブラジル音楽の先進性を示す一枚だ。
発売・販売元 提供資料(2023/06/22)