エスペランサ・スポルディングのセッションメンバーとしても評価の高いジャズピアニスト"レオ・ジェノヴェス"
ベーシスト"デミアン・カボー"、ドラマー"マルコス・カヴァレイロ"とともに繰り広げる繊細なジャズの世界を表現したトリオ作品
アルゼンチン出身のジャズピアニスト/作曲家のレオ・ジェノヴェスが前作からわずか1年足らずで新作をリリース
レオ・ジェノヴェスは1979年にアルゼンチンのベナド・トゥエルトで生まれ、5歳でピアノを弾き始めた。2001年にはバークリー音楽大学で本格的に音楽を学び始め、卒業後に最初のアルバム、「Haiku II」をリリース。2005年からは、ベーシスト兼ボーカリストのエスペランサ・スポルディングとともにレコーディングと国際ツアーを定期的に行っている。ウェイン・ショーターのアルバム「ライヴ・アット・デトロイト・ジャズ・フェスティバル」に収録されている「Endangered Species」でのソロで、グラミー賞最優秀即興ジャズ・ソロ賞を受賞した。
ジェノヴェスは、ボストンのバークリー音楽院で同郷のベーシスト、デミアン・カボーと出会い、ポルトガルでジェノヴェスとカボーの音楽的な相性にぴったりなドラマー、マルコス・カヴァレイロと出会うことになる。
アルゼンチン北東部の先住民族であるコム族の言葉にインスパイアされた、緻密で自由奔放なカボーの「Qom」でアルバムはスタートする。「ストーン・ビリーバー」(n.2)は、ジェノヴェスがファンから祝福の石を受け取った後に書かれたもので、この曲は世界中で共有されている繋がりと信念の力をテーマにしている。ジェノヴェスのトランス状態のような演奏をはじめ、デマイン・カボー、マルコス・カヴァリエーロの各々の慣例にとらわれないサウンドがこのアルバムの質の高さを表している。
発売・販売元 提供資料(2023/07/21)
エスペランサのセッションメンバーとして『Esperanza』『Chamber Music Society』『Radio Music Society Ensemble』の3作品に参加したアルゼンチン出身のピアニストによるピアノ・トリオ作品。冒頭の《Qom》での緊張感溢れるピアノからグッと引き込まれる。実力者たちによるアグレッシヴなインタープレイが堪能出来るが、中でも確かなテクニックに裏打ちされたレオ・ジェノヴェスのピアノが圧巻。流れるようなタッチで美麗なメロディーを奏でつつも超絶技巧を盛り込んだソロ・プレイに圧倒されます。
intoxicate (C)栗原隆行
タワーレコード(vol.165(2023年8月20日発行号)掲載)