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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2023年05月29日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 世界文化社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784418233052 |
| ページ数 | 240P |
| 判型 | B5 |
構成数 : 1枚

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“おいしい料理は真の幸福の基礎となる―オ―ギュスト・エスコフィエ”
(本書 はじめに より)
人参が冷蔵庫で日数が経ち、切り口に黒黴らしきものがついていた。他の部分はまだ瑞々しくて、捨てるのは嫌。火を通した人参が嫌いな私は、いつもジュ―スにして食すが、黴の場合は、加熱しないと危険。迷いながら、先ずは朝食用のスクランブルエッグを作ることにし、珍しく生クリ―ムも消費期限で、レシピを探す。谷 昇氏のレシピにこうして出会った。添えられたパンの切り方も、私が好んで切る形だったので、他のレシピにも目を通してみると、人参のグラッセが艶々と美味しそうに見えた。疲れていたが、作るなら今と早速作ると、手早く出来て美味ゆえ、更に興味を持ち色々検索。辻静雄食文化賞受賞インタビュー動画を視聴。P.ボキューズの賄いを一時作っていたと話しているのが聴こえ、翌日、図書館で『ボキューズのフランス料理入門』を借りた。巻頭は、台所準備について。冷蔵庫の掃除の仕方や棚の使い方の指示から傾倒。谷氏の本書でも、実践基礎の簡潔で的確なヒントが巻頭にある。
洗濯や掃除は独帯同時、料理は仏・リヨン帯同時に覚えた。教室に通ったのではなく、現地の人々の一言や置いてある商品により自然と導かれたのである。仏料理が作れるという段階ではなく、毎日継続可の手料理のために保存容器使用、良質の白ワインが鶏肉を大変柔らかくする事、調味料を回しかけると美味になるな等、些事の認識だが、添加物や質の悪い食品を食べると蕁麻疹に悩まされたから死活問題でもあった。よく通ったLes Halles de Lyon Paul Bocuseの鮮肉の質の高さは忘れられない。一見で、精神疲労が払拭されるBernachonの店構えも。
本書とは別に、仏料理史への扉が開きだし、デュッセルドルフの書店で購入した文庫を20年ぶりに再読、名前だけ知っている人々や事項を吸収できるようになり、リッツホテルにも関心を向け直した。
実際に作ってみると、美味しいことは勿論、料理の時の手際も違ってくるし、冷蔵庫の5Sも日課になる。
社会問題に巻き込まれた息子の回復を祈念して。
プル―ストと生涯交友したR.ア―ンの歌曲〈クロリスに〉の詩人テオフィル・ド・ヴィオ―Théophile de Viauの祥月命日(1626年9月25日)に。