ジャズピアノのアイコン的存在であるヨアヒム・キューン
敬愛してやまないヨーロッパ・ジャズのパイオニア、クシシュトフ・コメダへ捧ぐトリビュート盤
ACTの創始者シギ・ロッホのキューレーションでベルリンで行われたコンサートシリーズ14弾。
前作『Touch the Light』から2年、世界で高い評価を得ているドイツ出身のジャズピアニスト"ヨアヒム・キューン"が新作をリリース。2022年にキューンのピアノトリオのメンバーとアトム弦楽四重奏団を携えて行ったトリビュート・コンサートを収録。
ヨアヒム・キューンは、1944年、旧東ドイツ生まれのジャズピアニスト。家族の影響を受け、ジャズに興味を持つようになり1961年にプロのジャズミュージシャンとなった。1970年代には拠点をカリフォルニアに移し、当時熱を帯びていた西海岸のフュージョン・シーンへと入り込み、ビリー・コブハム、マイケル・ブレッカー、エディ・ゴメスとレコーディングした。
今作のテーマともなる"クシシュトフ・コメダ"という人物は、ポーランド・ジャズ界では伝説的な存在であり、ヨーロッパ・ジャズのパイオニアの一人である。特に『ダンス・オブ・ザ・ヴァンパイア』や『ローズマリーの赤ちゃん』など、ロマン・ポランスキー監督の初期作品のサウンドトラックを手がけたことで、より広く知られている。コメダは1969年、37歳という若さで悲劇的にこの世を去ったが、多大な影響力を持つ作品を残した。
今作は、コメダの伝説のアルバム「Astigmatic」のタイトル曲、そして「Kattorna」、「Svantetic」の3曲で始まる構成になっている。このラインナップは驚異的で、キューンを筆頭にドラムの"エリック・シェーファー"、ベースの"クリス・ジェニングス"と、ワールドクラスのカルテットとも評されるアトム弦楽四重奏団、ヴァイオリンの"ダヴィッド・ルボヴィッチ"と"マテウス・スモチニスキ"、ヴィオラの"ミハウ・ザボルスキ"、"チェルシストフ・レンチェウスキ"らが、コメダの描いた力強いメロディーにクラシックとジャズを力強くミックスした自由な即興演奏や見事なソロが交互に繰り広げる。奏でた音ひとつひとつに説得力があり、そして現代的で、時代を超越した美しさがある。
発売・販売元 提供資料(2023/07/21)