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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2023年05月18日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524234646 |
| ページ数 | 264 |
| 判型 | B5 |
構成数 : 1枚
【書評】
「高齢者糖尿病の診療・研究に関わる全職種の座右の書」
『高齢者糖尿病診療ガイドライン2017』が6年ぶりに改訂され,『高齢者糖尿病診療ガイドライン2023』として刊行された.
高齢者糖尿病および高齢者重症低血糖例の増加に加えて,糖尿病が認知症,ADL低下,フレイル,転倒,うつ等の老年症候群の危険因子となることなどが明らかになってきたことから,2015年4月に日本糖尿病学会の門脇孝理事長と日本老年医学会の大内尉義理事長(いずれも当時)の合意により,「高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会」が設置された.その結果,2017年に『高齢者糖尿病診療ガイドライン2017』が刊行された.その後,合同委員会は世代交代をしつつ今日まで活動を継続し,同ガイドライン刊行以後の諸論文,SGLT2阻害薬などの新規糖尿病治療薬,食事療法の考え方の変化なども考慮にいれた『高齢者糖尿病診療ガイドライン2023』が作成・刊行されたのである.
『高齢者糖尿病診療ガイドライン2017』では,「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」は個々の高齢者の年齢,ADL,認知機能を勘案して定めるべきこと,さらに重症低血糖を引き起こす恐れのあるインスリン,スルホニル尿素(SU)薬,速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)を使用している場合は甘めに設定し,かつ定めた下限値以下とならないように,言い換えると低血糖を避け安全な治療を行うべきとする考えが数々の根拠をもって示された.その結果,わが国での高齢者糖尿病におけるSU薬使用頻度,血糖コントロール目標値の下限値以下となるような症例の頻度は減少し,より安全な治療が行われるようになった.低血糖が認知症,転倒・骨折,うつなどの危険因子となることを考えると大変喜ばしいことといえる.そして,上記の考え方は本書でも踏襲されている. さらに,『高齢者糖尿病診療ガイドライン2017』では臨床上の問題はすべてCQ(Clinical Question)とされていたが,本書では推奨グレードを決める必要のない記述的なCQは「Q」,推奨グレードを決める必要のあるCQは「CQ」に分類,整理された.また,「CQ」に関して推奨グレードを決めるために実施した系統的・網羅的な文献検索に用いられたPICO,すなわちPatients/Problem/Population,Interventions,Comparisons/Controls/Comparators,Outcomesが示されており,どのような効果が,どの程度期待できるかを把握することが容易になった.
本書では,糖尿病と認知症,軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI),ADL低下,フレイルとの関係,高齢者総合機能評価の重要性,食事療法,運動療法,薬物療法に加えて,新たに「高齢者糖尿病の併存疾患」「さまざまな病態における糖尿病の治療」「高齢者糖尿病をサポートする制度」などが加えられ,より実用的な内容となっている.
本書が高齢者糖尿病の診療に関係するすべての職種の方々の座右の書として活用されることにより,高齢者糖尿病患者の健康寿命の延伸,QOLの向上が期待できる.また,本書は,高齢者糖尿病における未解決の問題が何かを俯瞰することもでき,高齢者糖尿病に関する研究を進めるうえでも有用な書である.
コロナ禍の約3年半の長きにわたりガイドラインの改訂に取り組まれた稲垣暢也,荒木厚両学会代表委員をはじめとする合同委員会の委員の先生方,評価委員,執筆協力者・システマティックレ(S...

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