西洋音楽の扉を開き、20世紀のポピュラー音楽に多大なる影響を与えるインド音楽の巨匠にして最大の大物、ラヴィ・シャンカール。
彼を師と仰ぎ、生涯続く友情と尊敬の絆で結ばれていたジョージ・ハリスンが主宰するレーベル、Dark Horseより1974年にリリースされていながらその後長らく入手困難となっていた東西の音楽が見事に融合する傑作『SHANKAR FAMILY & FRIENDS』が、遂に単独作品となって復刻!
北インドの古典音楽において最も著名な演奏家であり、インド古典音楽の巨匠としてしられる世界的シタール奏者、ラヴィ・シャンカール。後継者の育成に力を注いできた彼は、西洋音楽への扉を開き、20世紀のポピュラー音楽に多大なる影響を与える存在として非常に高く評価され、世界から尊敬を集めてきた。彼を師と仰ぎ、その後生涯続く友情と尊敬の絆を紡いでいったのが、ビートルズのジョージ・ハリスンだった。ビートルズの名曲「ノルウェイの森」でシタールを披露したジョージは、その後もその楽器が持つ不思議な魅力の虜となり、東洋音楽の世界にのめり込んでいくようになる。
彼が1974年に発表したこの『SHANKAR FAMILY & FRIENDS』は、彼を師と仰ぐジョージ・ハリスンが主宰するレーベル、Dark Horse Recordsからリリースされた最初の作品の一つだ。1973年、ジョージは自身のレーベルにシャンカールを迎え、リンゴ・スターやビリー・プレストン、クラウス・ボアマンやジム・ケルトナー、ニッキー・ホプキンスといったオールスターともいうべき錚々たる欧米のミュージシャンと、インド音楽のパイオニアであるアラ・ラカ、アシシュ・カーン、シヴクマール・シャムラ、ハリプラサド・チャウラシアといった東洋のオールスターを集結させ、東洋と西洋の音楽を融合させたアルバムを創り上げたのだ。
ジョージ・ハリスンがプロデュースを務めた今作には、Dark Horse Recordsからリリースされた最初のシングル曲「I Am Missing You」も収録されている。この曲は、西洋のロック・バンドがバックを固め、そこにラクシュミー・シャンカールのヴォーカルを融合させた東西の音楽スタイルを併せ持つ楽曲だ。この曲を含むこの『SHANKAR FAMILY & FRIENDS』は、その革新的な内容とサウンドで当時非常に大きな注目を集めたのだが、その後長い間廃盤となっており、入手困難なアルバムとなってしまっていた。
2010年、ジョージ・ハリスンとラヴィ・シャンカールの生涯の友情の証をまとめあげた『COLLABORATIONS』というボックス作品がリリースされたのだが、そのボックス・セットに収録する、という形で、この隠れた傑作が再び市場に登場することとなった。そのボックス作品から約13年の時を経て、今回この歴史的作品であり隠れた名作ともいえる『SHANKAR FAMILY & FRIENDS』が、遂に単独作品としてリリースされることとなった。
発売・販売元 提供資料(2023/06/09)
インド古典音楽の巨匠たるシタール奏者が、ジョージ・ハリスン主宰のダーク・ホースに残していた74年作。かつてライノ発のボックス『Collaborations』にて復刻されていた東洋×西洋の意欲的なコラボが初めて単独リイシューされた。リンゴ・スターやビリー・プレストンらジョージ軍団の演奏が、ラクシュミー・シャンカールの歌唱などと融和した神秘的な音像が心地良い。
bounce (C)香椎 恵
タワーレコード(vol.477(2023年8月25日発行号)掲載)