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| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 2023年05月05日 |
| 国内/輸入 | 輸入(香港盤) |
| レーベル | Analog Dept |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | IMT98435512 |
| SKU | 9787798435511 |

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坂本龍一の映画音楽は、時にやっつけ仕事というか、彼ならもっと出来るはずと思えるものもあるが、これはなかなかの力作、美しく、素晴らしい一枚。
「繊細にして流麗」と、書や絵画を形容する言葉が似合う。
私が彼の音楽に求めるもの、その全てがこの一枚に凝縮されているように思う。
それは、音であり、気配であり、香りであり、色彩でもあるもの。
それがたまたま「音楽」という「かたち」をとっているのは、
それらの全てを余すことなく表現するために、何かしらの形に入れて伝達されるものであるから。
「ち:血」が入った「かた:形」すなわち「形」によって、私たちは対象を捉え、認識することができる。
その「何かしら」が、たまたま彼の場合は音楽だったということなのだろう。
サウンドトラックである以上、「主」たる映像に寄り添い、時に映像を際立たせ、時に映像では語りきれないものを伝える。
音が映像を引き寄せ、映像が音を引き寄せる。
私の敬愛する武満徹、坂本龍一の両氏が最も愛した作曲家、そして私自身も大好きなドビュッシー。
そのドビュッシーの曲に「音と香りは夕暮れの大気に漂う」というピアノ曲があるが、このタイトルがひとことで全てを語り尽くしている。
音、香り、夕暮れの景色、そして大気。
渾然一体となった、それらをあえてどこまでが音で、どこからが大気で…、と分別してとらえることは、困難で無粋なことのように思える。
花を愛でるのに、その姿形、色彩、香りを分かつ必要があるだろうか?
たとえば、生まれたての朝を祝福するかのように鳴き交わす鳥たち、潮の満ち引き、カエルの鳴く声、川のせせらぎ。
まるで音に引き寄せ、吸い寄せられるかのように、ふと足をとめて、耳を澄ませて聴きたくなるような、それら自然現象が持つ「音の引力」に近いものの存在を感じる。
自然界の環境に「音」が一体のものとしてあるように、映像に「音楽」が一体のものとして、ある。
そして、それを聴く私もまた、この音と一体としてあるもの。
大きく深く深呼吸して新鮮な空気を取り込むように、身体の隅々にまで届けたい音。