レディオヘッドの頭脳と中東の魅力が混ざり合った傑作!
説明不要レディオヘッドの革新的サウンドの中核を担うギタリストであり、多くの映画スコアも手掛けるジョニー・グリーンウッドが、"もしクラフトワークが70年代のカイロにいたら何をしていたか"をテーマに中東各国のミュージシャンと作り上げた作品。インドに焦点を置いた2015年作『JUNUN』では崇高なリズムを展開していましたが、本作は国境を越えた多彩なヴォーカルによる歌モノに、ジョニーのギターが絡むのが何より新鮮!まんまレディオヘッド楽曲でありそうなフレーズが浮遊する(2)、後半ギターが入った瞬間がハイライトの(3)、如何にもトムヨークが好きそうなベースグルーヴの(5)、ティナリウェンばりのブルース(8)など、プリミティブなヴォーカルの中随所に炸裂するジョニー節が堪りません!て事でレディオヘッド好きはマスト!
タワーレコード(2023/07/14)
レディオヘッドやザ・スマイルのギタリストであるジョニー・グリーンウッドが、長年の友人でもあるイスラエルのシンガー/ミュージシャン/プロデューサーであるドゥドゥ・タッサと組んで制作したアルバム『JARAK QUARIBAK』完成!
中東各国のミュージシャンが集い作り上げた国境もジャンルも超えたコラボレーションがここに!
レディオヘッドやザ・スマイルのギタリストであるジョニー・グリーンウッドが、長年の友人でもあるイスラエルのシンガー/ミュージシャン/プロデューサーであるドゥドゥ・タッサと組んで制作したアルバム『JARAK QUARIBAK』がワールド・サーキット・レコーズからリリースとなる。
タッサとグリーンウッドがプロデュースを手掛け、ナイジェル・ゴドリッチがミックスを担当した本作は、中東の各国からのヴォーカリストやミュージシャンが一つに集い、とてもスペシャルな国境を超えたコラボレーションを実現させている。"あなたの隣人はあなたの友人である"という意味を持つアルバム・タイトルが表すように、参加している各ヴォーカリスト/ミュージシャンたちは、先行トラックとしてリリースされたレバノンのヴォーカリストRashid Al Najjarをフィーチャーした「Ashufak Shay」のように、自分たちの出身国を代表する楽曲を次々と披露しているのだ。この他にもアルバムには、パレスチナからFreteikhやエジプトからAhmed Doma、モロッコからMohssine Salaheddineなどのシンガーが参加している。
「ここにある音楽を人々が耳にしたとき」タッサは語る。「・・・いったいこれはなんだ?70年代っぽく聞こえるが、ドラム・マシーンを使っている。ギターも聞こえるけど、アラブ語で歌っている・・・何が起きてるんだ?と不思議がる姿を想像するのが楽しいんだ」
一方のグリーンウッドは、"もしクラフトワークが70年代のカイロにいたら何をしていたか"を想像しようとしながらアルバムの楽曲をまとめていたという。彼にとって本作は、ギター・ロックの枠を超えた作品の一つに加えられるだろう。レディオヘッドやザ・スマイルでの活動とともに、ソロ・アーティストとしても20年近くのキャリアを持つ彼だが、その中には「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」や「ザ・マスター」など数々の映画スコアも含まれており、2度アカデミー賞にもノミネートされている。この他にもインドとイスラエルを拠点に活動する作曲家/ミュージシャン、シャイ・ベン・ツールとインドのミュージシャンたちと一緒に作り上げた2015年の『JUNUN』など、国境を超えたコラボレーション作品もリリースしている。
発売・販売元 提供資料(2023/05/12)
レディオヘッドのギタリストと、イスラエル出身のミュージシャン/プロデューサーが作り上げたコラボ・アルバム。中東音楽の要素が濃い一方で、クラフトワークといったヨーロッパの音楽も強調された内容は、特定の様式に依拠しない奔放さが際立つ。強いて言えば、デイヴィ・グレアムといった、中東の音を取り入れた欧米アーティストに通じる視点が印象的だ。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.476(2023年7月25日発行号)掲載)