80年代初頭に一世を風靡した奇才=クラウス・ノミの没後40周年企画 1983年に発表した2ndアルバムにして遺作となった作品『Simple Man』
1944年にインメンシュタット(ドイツ南部)に生まれ、かつての西ベルリンで育ったクラウス・シュペルバー(Klaus Sperber)は、オペラとロック・ミュージックが大好きだった。1972年にニューヨークに移住すると、最終的には現地のキャバレーのステージに芸術表現の場を見いだすことになる。彼のルックスと声にはニュー・ウェイヴ・シーンの王道が反映されており、アンディ・ウォーホルのファクトリー(ウォーホルのスタジオ)期以降のヴァイブを湛えていた。彼はマックス・カンザス・シティ(ニューヨークのナイト・クラブ兼レストラン)などの会場に、アンダーグラウンド・シーンの友人たちに囲まれて出演していた。1950年代のSF感にあふれ、モノクロの鋭角な衣装や類まれな声により独特の世界を築いた彼には次々と出演のオファーが舞い込んだが、キャリアが爆発的に飛躍したのはデヴィッド・ボウイとの出会いがきっかけだった。1979年、ベルリン時代の真っ只中にいたデヴィッド・ボウイが、前途有望な奇才にいち早く注目。NBC TV『サタデー・ナイト・ライヴ』の特番にバックアップ・シンガーとして彼を抜擢し、一躍注目される存在になる。テレビ出演後、ライヴ会場に多くのファンが殺到するようになり、1980年に待望のデビュー・シングル「Keys of Life」をリリースする。1981年にはファースト・アルバム『オペラ・ロック』をリリースと、活躍の場を広げていった。翌1982年にはセカンド・アルバム『シンプル・マン』をリリースする。しかし、この頃には既にHIVに感染しており、身体はすっかり衰弱しており、1983年8月6日にNYの病院でエイズにより39年の生涯を終えた。唯一無二のアーティストの命は、レコードがゴールド認定され、コンサート・ホールが酔いしれ、ファッション界が彼に魅了されていたスターダムの頂点で奪われることになってしまった。クラウス・ノミは1979年から1982年にかけてチャートのトップを席巻し、その後どこか別の惑星にある故郷へと帰っていった。クラウス・ノミの影響は今日も生き続けており、1980年代終わりのまばゆい時代よりは間違いなく散財的ではあるものの、ジャン・ポール・ゴルチエやジバンシィの一部の作品、さらにはレディー・ガガの衣装などに今も認めることができる。『アメリカン・ホラー・ストーリー:シーズン11』の主要キャラクターの1人を見るだけでも、誰かのことを思い出すだろう。広告の世界を見渡せば、彼の音楽が数え切れない国々の実にたくさんのキャンペーンにおいてシンクロされていることに気づくだろう。
今年でクラウス・ノミの没後40周年を迎えるのを記念し、ソニー・ミュージックからオフィシャル・ディスコグラフィの全カタログが再発される。本作は、1983年に発表した2ndアルバムにして遺作となった作品『Simple Man』 。バロック音楽の作曲家ヘンリー・パーセルの歌劇やルネッサンス期の作曲家ダウランドの歌曲、「オズの魔法使い」のカヴァー曲など全12曲を収録。
発売・販売元 提供資料(2023/04/07)
Coming off such a left-field debut, it was up in the air as to what Klaus Nomi would do for a follow-up. That second album was Simple Man, and if listeners were unsure if the first album was a put-on, this one certainly didn't do much to clear things up. While the album starts out promisingly with an atmospheric fade-in followed by a hard dance number with the occasional Birthday Party-style guitar thrown in, the rest of the album did its damnedest to move the album's overall tone to one of self-parody. Could one really think any differently listening to the hyper-sugary cover of "Just One Look," the faux-country disco number "Rubberband Lazer," or the version of "Ding Dong the Witch Is Dead"? As with the debut album, Nomi's true capabilities are shown off by his versions of classical works -- in this case, "Death" (taken from Henry Purcell's "Dido and Aeneas") and "Return" (which is based on a choral number by John Dowland). The thing is, those pieces are right at the end of the album and the listeners who would enjoy them the most will probably already have been long shaken off by all of the kitsch leading up to it. ~ Sean Carruthers
Rovi