デビュー10周年の2012年にリリースされた、ノラ・ジョーンズ5枚目のアルバム『リトル・ブロークン・ハーツ』。グラミー賞受賞プロデューサーのデンジャー・マウスとの共作で、それまでの作風とは大きく異なりパーソナルな一面を反映したサウンドが大きな話題を呼んだ本作に、ボーナス・トラックや未発表ライヴ音源を追加した2枚組となるデラックス・エディションが登場! (C)RS
JMD(2023/04/11)
デンジャー・マウスと共作した5枚目のアルバムに、ボーナス・トラックやリミックス、2012年オースティン・シティ・リミッツで録音された未発表ライヴ音源を収録した2枚組デラックス盤!
デビュー10周年の2012年にリリースされた、ノラ・ジョーンズ5枚目のアルバム『リトル・ブロークン・ハーツ』。グラミー賞受賞プロデューサーのデンジャー・マウスとの共作で、それまでの作風とは大きく異なりパーソナルな一面を反映したサウンドが大きな話題を呼んだ本作に、ボーナス・トラックや未発表ライヴ音源を追加した2枚組となるデラックス・エディションが登場!
それまでのアルバムと違い、何の用意もせずスタジオに入ってから自然発生的に制作されたというオリジナル・アルバムには、ヒット・シングル「ハッピー・ピルズ~幸せの特効薬」や、宇宙的な雰囲気が漂うフォーク・ソング「グッド・モーニング」、デンジャー・マウスがプレイする様々な楽器の上を漂うようなノラのヴォーカルが印象的な「アフター・ザ・フォール」など12曲を収録。過去のヒット路線に囚われず、かつバラエティに富んだ楽曲群は今もなお色褪せていない。
そして今回追加されるのは、「キリング・タイム」、「アナザー・サウンド」、「アウト・オン・ザ・ロード(モンド・ヴァージョン)」というボーナス・トラック。そして当時配信EPとしてリリースされた、ピーター・ビヨーン・アンド・ジョンやデヴィッド・アンドリュー・サイテックによるリミックスの数々も収録される。
また、2012年のオースティン・シティ・リミッツでの未発表ライヴ音源も11曲収録。アルバムを順番にほぼ全曲披露した貴重な音源で、今回のためにオリジナルのアナログ・マスターから新たにミックスされている。ファンなら必聴の内容だ。
発売・販売元 提供資料(2023/04/07)
出発点の姿を忘れてしまうほど、どんどん進化してゆくノラ。いよいよ本格的にオルタナティヴの域に足を踏み入れたこの5作目は、特に大きな転機となりそうだ。何しろプロデュースや曲作りで全面的にバックアップしているのはデンジャー・マウス。しかも前作に続いての失恋アルバムで、かなり派手に傷ついたことは言葉の切っ先の鋭さが物語る通り。さまざまな角度から自分に起きたことを検証し、乗り越えようとしており、その無防備さはスタジオで自然発生的に曲を綴ったことと無関係でないだろう。それでいてエモーションを細やかになぞる丁寧なアレンジが施され、当然トーンはダークで重いのだが、アメリカーナ風味のサウンドには温かみがあって、憂いと力強さが交錯する声を優しく縁取っている。
bounce (C)新谷洋子
タワーレコード(vol.343(2012年4月25日発行号)掲載)