文庫 声に出して読みたい古事記

構成数 : 1枚

日本語のふるさと『古事記』

序文
乾坤(あめつち)初(はじ)めて分(わ)かれて 参神(みはしらのかみ)造化(あめ)の首(はじめ)と作(な)り

1 独り身の神々の誕生
みな独神(ひとりがみ)と成(な)り坐(ま)して、身(み)を隠(かく)したまふ

2 イザナキとイザナミ、国を生む
身(み)の成(な)り合(あ)はぬ処(ところ)に刺(さ)し塞(ふた)ぎて、国土(くに)を生(う)み成(な)さむ

3 イザナキ、黄泉の国をめぐる
吾(あれ)と汝(な)と作(つく)れる国(くに)、いまだ作(つく)り竟(お)へず。故 (かれ)、還(かえ)るべし

4 アマテラスオホミカミ、禊ぎによって生まれる
左(ひだり)の御目(みめ)を洗(あら)ひたまふ時(とき)に成(な)りませる

5 天の石屋戸に隠れる
天照大御神(アマテラスオホミカミ)、天(あめ)の石屋(いわや)の戸(と)を開(ひら)きて刺(さ)しこもり坐(いま)す

6 スサノヲ、ヤマタノオロチを退治する
十拳(とつか)の釼(つるぎ)を抜(ぬ)き、その虵(おろち)を切(き)り散(ほう)りたまひし

7 オホクニヌシ、因幡の白兎を助ける
輾(こ)い転(まろ)ばば、汝(な)が身(み)、本(もと)の膚(はだ)の如(ごと)く、かならず差(い)えむ

8 オホクニヌシ、四つの試練に耐える
逃(に)げ出(い)でます時(とき)に、天(あめ)の沼琴樹(ぬごとき)に払(ふ)れて地(つち)動(とよ)み鳴(な)りき



9 アマテラス、国譲りを迫る
この葦原中国(あしはらのなかつくに)は、天(あま)つ神(かみ)の御子(みこ)の命(みこと)のまにまに献(たてまつ)らむ

10 ニニギ、天から降る
竺紫(つくし)の日向(ひむか)の高千穂(たかちほ)のくじふるたけに天(あま)降(くだ)り坐(ま)しき

11 コノハナノサクヤビメ、花の命は短くて
木花之佐久夜毗売(コノハナノサクヤビメ)を使(つか)はさば、木(こ)の花(はな)の栄(さか)ゆる

12 山幸、海幸に勝利する
「この釣(ち)は淤煩釣(おぼち)、須々釣(すすち)、貧釣(まじち)、宇流釣(うるち)」と云(い)ひて、後手(しりえで)に賜(たま)へ

13 神武天皇、東方へ一大遠征
なほ東(ひむかし)に行(ゆ)かむと思(おも)ふ

14 垂仁天皇、皇后の裏切りにあう
我(あれ)を愛(は)しと思(おも)はば、吾(あ)と汝(いまし)と天(あめ)の下(した)治(し)らさむ

15 ヤマトタケル、熊襲を征伐する
西(にし)の方(かた)に熊曽建(クマソタケル)二人(ふたり)有(あ)り。その人(ひと)等(ども)を取(と)れ

16 仁徳天皇、民の炊煙を望見する
国(くに)の中(うち)に烟(けぶり)発(た)たず、国(くに)みな貧窮(まず)し

17 カルノヒツギノミコ、道ならぬ恋の果てに心中する
我(わ)が泣(な)く妻(つま)を 昨夜(こぞ)こそは 安(やす)く肌(はだ)触(ふ)れ

18 雄略天皇、待ちつづけた老女と再会する
徒(いたず)らに盛(さか)りの年(とし)を過(す)ぐししこと、是(こ)れいたく愛(めぐ)く悲(かな)し

『古事記』は日本人の心の豊かさにつながる
主な参考・引用文献