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一八世紀の秘密外交史 ロシア専制の起源

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フォーマット 書籍
発売日 2023年03月30日
国内/輸入 国内
出版社白水社
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784560094945
ページ数 264P
判型 B6

構成数 : 1枚

序(ウィットフォーゲル)
I ロシア-どこへ? 人類-どこへ?
II マルクスのロシアに関する発見をめぐる深くかつ矛盾だらけの根源
III ピョートル大帝への再評価と世界史の新しい視点への切り口
IV ロシア政治に関するある新しい歴史草案──大掴みで不安を煽るようなもの
V マルクスの『一八世紀の秘密外交史』を超えて──「アジア的復古」
VI 「偶然」と「自由」──マルクスが残した最高の遺産
第一章 資料と批判 一七〇〇年代のイギリス外交とロシア
第二章 北方戦争とイギリス外交──『北方の危機』
第三章 イギリスのバルト貿易
第四章 資料と批判 イギリスとスウェーデンの防衛条約
第五章 近代ロシアの根源について
第六章 ロシアの海洋進出と文明化の意味
解説(福本勝清)
あとがき(石井知章)
人名索引/関連年表

  1. 1.[書籍]

タタールの軛からクリミア戦争へ

タタールの軛がもたらしたものは? なぜロシアは膨張したのか? クリミア戦争下構想され、数奇な運命を辿ったマルクスによるロシア通史。

「ロシアが欲しいのは水である」

資本主義の理論的解明に生涯を捧げたマルクス。彼はこの『資本論』に結実する探究の傍ら、一八五〇年代、資本の文明化作用を阻むアジア的社会の研究から、東洋的専制を発見する。
他方、クリミア戦争下に構想された本書で、マルクスはロシア的専制の起源に東洋的専制を見た。ロシア社会の専制化は、モンゴル来襲と諸公国の従属、いわゆる「タタールの軛」(一二三七―一四六二)によってもたらされたと分析したのである。
このため、マルクスの娘、エリノアの手になる本書は歴史の闇に葬られ、とりわけ社会主義圏では一切刊行されなかったという。
とはいえ、東洋的専制という問題意識は、その後、本書の序文を書いたウィットフォーゲルによって深められた。
フランクフルトの社会研究所で頭角を現した彼は、『オリエンタル・デスポティズム』(一九五七年)に収斂していく研究で、専制の基底に大規模灌漑を要する「水力世界」を見出し、さらに、ソ連・中国の社会主義を東洋的専制の復活を見た。
ウクライナ戦争が長期化する中、ロシアの強権体質への関心が高まっている。本書収録「近代ロシアの根源について」は今こそ読まれるべきだ。

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