エレジー～グラズノフ、チャイコフスキー、ボロディンの音楽

グラズノフの弦楽のための主題と変奏、サクソフォン協奏曲、チャイコフスキーの弦楽のためのエレジー、弦楽セレナーデのエレジーに、ボロディンのノクターンの弦楽オーケストラ版を収録。
演奏の「ローマ・トレ管弦楽団」は、2005年に設立されたオーケストラ。オペラを中心に活躍してきた指揮者のシエヴァ・ボールザクのもとで、じっくり旋律を歌わせるゆったりと美しい演奏を聴かせています。

【作品について】
グラズノフ:弦楽のための「主題と変奏」
冒頭からメランコリックでロシア風な旋律が美しい音楽。まさにエレジーです。

グラズノフ:サクソフォン協奏曲
アルト・サックスの妙技のほか、弦楽オーケストラの組み合わせによるエレジー風な抒情的場面も含む作品。

チャイコフスキー:弦楽オーケストラのためのエレジー
俳優イワン・サマーリンの演劇活動50周年を記念して委嘱されたものなので、実際にはお祝いの作品ということになりますが、なぜか曲調はしめやかなエレジーとなっています。
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ～第3楽章
エレジーの代表格ともいえる有名な音楽。

ボロディン:弦楽四重奏曲第2番第3楽章
弦楽オーケストラ用に編曲したヴァージョン。曲種は夜想曲で、エレジーではありませんが、アルバムをほのかに明るく締めくくるには良い選曲と思われます。

＜ローマ・トレ管弦楽団＞
「ローマ・トレ大学」の名を冠して、ローマで2005年に設立されたオーケストラで、学生オケではありません。ローマ・トレ大学はイタリア公教育省により1992年に設立された学部学生数3万4千人規模の大学で、ローマ第三大学とも訳されます。
ローマ・トレ管弦楽団は、2018年に文化省から国家的意義のある取り組みとして認められ、首都ローマを擁するラツィオ州のイタリア文化財省舞台芸術基金の助成を受けています。略称は「R3O」。

＜シエヴァ・ボールザク(指揮)＞
1997年ローマ生まれのロシア系イタリア人。オペラ歌唱、ピアノ、作曲を学んだ後、マルチェロ・ブッファリーニに指揮を師事してアルフレード・カゼッラ音楽院を卒業。オペラ指揮者として各地で活動し、2021年にローマ・トレ管弦楽団の指揮者に就任。

＜ヤコポ・タッデイ(サクソフォン)＞
1996年1月28日、エルバ島(イタリア、トスカーナ州)に誕生。ペーザロ音楽院でフェデリコ・モンデルチに師事した後、ミラノ音楽院でマリオ・マルツィの指導のもと、サクソフォンの修士号を取得。2006年から2018年にかけて、サリエリ・ジネッティ、ルイジ・ノーノ、フランチェスコ・チレア・ディ・パルミなどのコンクールで24の1等賞を受賞。
共演指揮者は、ユーリ・バシュメット、アントニオ・パッパーノ、ダニエレ・ガッティ、杉山洋一、ダニエル・スミス、ブルーノ・アプレア、ヴィクトリア・ヴィトレンコ、フランチェスコ・ゲザルディ等、共演オーケストラは、スカラ座フィル、ローマ聖チェチーリア国立アカデミー管、モスクワ・ソロイスツ、ポメリッジ・ムジカーリ管弦楽団など多数。