アークティック・モンキーズ、ゴリラズ、デペッシュ・モードらを手掛ける辣腕プロデューサージェームス・エリス・フォードが〈Warp〉と電撃契約!キャリア初となるソロアルバムをリリース!!
アークティック・モンキーズからデペッシュ・モード、フォールズ、ゴリラズ、カイリー・ミノーグといった大物アーティストのプロデュースを手がけ、シミアン・モバイル・ディスコのメンバーとしても知られるジェームス・エリス・フォードが、〈Warp〉と電撃契約し、キャリア初となるソロ・デビュー・アルバム『The Hum』をリリース!!
コンポーザーでありマルチ・インストゥルメンタリストであり、プロデューサーやソングライターとしても活躍するジェームス・フォードは、数々の大物アーティストたちと手を組んできたが、自身を全面に押し出すのではなく、あくまでも彼らのプロジェクトを成功させることに力を注いできた。また彼はシミアン・モバイル・ディスコの片割れでもあり、長年のクリエイティヴ・パートナーであるジャス・ショウと並ぶ彼の役割は、往々にして、個人というよりも、より集団的な目標へ向かっているように見える。それはラスト・シャドウ・パペッツのツアーメンバーとしても同様だ。だが今回初めて、ソロ・デビュー・アルバム『The Hum』によって、彼自身が舞台の中央に立とうとしている。
これまでに関わった大物アーティストを呼び寄せ、メディアが喜びそうなポップ・アルバムにするというやり方は敢えて回避している。というより本作は、ブライアン・イーノやロバート・ワイアットの柔らかくも奇妙な英国ポップ音楽へのオマージュであり、妻と息子のルーツであるパレスチナへのラブレターである。カンタベリー・プログレの牧歌的な力強さを探りながら、現代のヒップホップのダイナミクスから知識を得た作品である。
また、未知なる宇宙へのレディオフォニックな航海でもあり、時代を超えて心に刺さるクラシック・アンセムを書くという実験に成功した作品でもある。
本作『The Hum』では、シーケンサーを一切使用せず、ソフト・シンセもDAWもなしにすべてを生で演奏している。一度目か二度目の演奏をテープに直接レコーディングすることで、音楽には生き生きとした即時性が備わっている。
発売・販売元 提供資料(2023/03/07)
シミアン・モバイル・ディスコの片割れで……というか、アークティック・モンキーズやゴリラズらの仕事を挙げたほうが通りの良さそうな敏腕プロデューサーが、手掛けたデペッシュ・モードの新作『Memento Mori』も出たばかりのタイミングで初のソロ・アルバムを仕上げてきた。これが縁深い面々を招いたオールスター作ではなく、ヒットメイカーの内なる宇宙をクリエイティヴに描いた作品であることはワープからのリリースということでも明らかだろう。モロにイーノを想起させるインスト"Pillow Village"など、すべての演奏と素朴な歌唱を自身で担った牧歌的でストレンジな奥行きのあるアート・ロックの好盤だ。
bounce (C)香椎 恵
タワーレコード(vol.473(2023年4月25日発行号)掲載)