| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2010年06月22日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | みすず書房 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784622075455 |
| ページ数 | 200 |
| 判型 | 四六 |
構成数 : 1枚
目次
ヴァレリーあるいは黄昏時の優しさ(松田浩則)
自分自身への手紙
コロナ
1 ナルシサへのソネット
2 ジャスミンへのオード
3 しだれ柳
4 魂よ……
5 ジャンヌ、きみの身体は……
6 世界一気高い……
7 夜の小さなオード
8 ポリドール、麗しの額……
9 びた一文の歌
10 日曜ごとの冠
11 美しすぎるよ、太陽は
12 きみ独りを置き去りにして
13 ありやなしや
14 きみ抜きで、きみを思い……
15 見込み薄い願い
16 行きつ戻りつの挙げ句……
17 私の夕暮れの花……
18 眼を閉じて……
19 哀歌
20 ペトラルカ風に
21 あなたのコロナについて
22 暁のバラード
23 ナルシサ
コロニラ
1 奥深き薔薇に寄せて
2 いとなみのさなか
3 午前四時
4 夜想曲 第二番
5 黄昏時に、彼方の高みで……
6 触覚のオード
7 セレナーデ
8 おお、美しい夜
9 おお、心臓のように鼓動する……
10 タイプライター即興詩
11 誰かさんとの十日間……
12 ポリドール
13 麗しのひとよ……
14 美女さんよ……
15 われらのコロナについて
16 きみの声が……
17 最高の女ともだち……
18 やけっぱち(イル・ディスペラート)
19 わたしのルスト……
20 愛の絶頂で一人……
21 ひと日の長さ……
注
あとがき(中井久夫)
〈これらの詩篇を見ていると溜め息が出てくる。この貧弱な宝石の塊の中にはほんとうに美しいものがある。作ってみるだけのことはあったのだ……。これらを一冊にまとめたら、フランスにこれまでなかったような詩集ができあがると思う〉(PV)
1938年から没年の1945年まで、ポール・ヴァレリーは最後の恋人ジャン・ヴォワリエことジャンヌ・ロヴィトンに宛てた手紙に同封するかたちで、詩を書きつづけていた。『魅惑』以来およそ20年、詩人の生涯で三番目で最後の詩作期であった。200篇にも及ぶと推定される詩の多くは、それぞれ「冠」「ちいさな冠」ほどの意味をもつ『コロナ』と『コロニラ』という二つの詩集にまとめられるはずであった。しかし、二人の破局とヴァレリーの死によって、それらは30年ほどの時間ジャンヌのもとで眠っていた。
フランス国立図書館所蔵のマイクロフィルムを基本に、一昨年はじめてフランスで公刊された詩集もあわせ、厳密な校訂と選択と訳詩の推敲を重ねた『コロナ』23篇と『コロニラ』21篇を軸に構成。同時期に執筆中の『わがファウスト』との関係もふくめ、最晩年の詩人の結実およびその思考の鍵を、いま明らかにする。

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