フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
輸入盤:国内流通仕様 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2023年03月31日 |
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規格品番 |
NYCX-10383 |
レーベル |
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SKU |
4589538788285 |
モーツァルトのピアノ協奏曲には15,000種類もの録音があるそうだ。今さら新しい録音を出す意味があるのかと問う人がいるならば、この1枚については「ある」と断言する。
――ジョン・マクマン(アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック総裁)
モーツァルトの演奏史に革命を起こしたクリストファー・ホグウッドとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックが、モーツァルト研究家でピアニストのロバート・レヴィンを迎えて1993年に開始したピアノ協奏曲全集の録音。
8枚をリリースして2001年を最後に途絶えていたプロジェクトが再開します。指揮者はホグウッドからリチャード・エガーに代わり、レヴィンの演奏は溌剌とした即興の精神に満ち溢れ、モーツァルトの神髄に迫るサウンドは一層の磨きをかけています。
2024年6月の完結を目指す全5枚の旅路は大注目です。
※国内仕様盤には大津聡氏による日本語解説が付属します。
◎ロバート・レヴィンとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(AAM)のモーツァルト:ピアノ協奏曲録音について
1980年代半ばから1990年代を通して古楽器による演奏が大きなブームとなりました。バッハの生誕300年(1985年)とモーツァルトの没後200年(1991年)にデジタル録音とCDの急速な普及が重なり、主要レーベルがこれらの作曲家の主要作品をデジタル録音による古楽器演奏で一新しようとしたのです。
中でもオワゾリール・レーベルによるモーツァルトの交響曲全集は、序曲や断章をも含める最新の音楽的な知見と、クリストファー・ホグウッドとヤープ・シュレーダーがリードするAAM(当時の呼称はエンシェント室内管弦楽団)のスタイリッシュな演奏によって、モーツァルトの演奏史に極めて大きなインパクトを与えました。
その交響曲全集に続いて彼らが1993年に始めた企画がモーツァルトのピアノ協奏曲全集です。
(1/2)
ナクソス・ジャパン
オリジナルのカデンツァや即興的な装飾表現を多用して大きな注目を集めましたが、17曲を録音したところで途絶えてしまいました。
未完に終わったと思われていたそのプロジェクトが2023年に再起動します。コロナ禍で演奏会が途絶えたAAMが活動の場を求めてセッション録音を企画し、かねてからこのプロジェクトを「自分のアイデンティティの一部」と感じていたロバート・レヴィンが賛同。AAMが創設50周年を迎える2023/24シーズン中に完結する道のりも発表されました。中には新発見のピアノ協奏曲の楽章(モーツァルト8歳の作!)も含まれているそうで、期待が高まります。
記念すべき再開第1弾はロマンティックな第2楽章で有名な第21番と、数少ない短調作品でドラマティックな曲想と充実した楽器編成を持つ第24番。
どちらもオーケストラによる冒頭からフォルテピアノが通奏低音のように参加しつつ早くも即興的なフレーズを聞かせ、こうした即興的・装飾的なアプローチは全曲を通して随所に聴くことができます。カデンツァはもちろんレヴィン作。
この録音では、即興や装飾など「他の録音と違う」「楽譜に書かれていない」音符の多さに注意が行きがちですが、既存の録音との差別化を目的とする新奇さを狙ったものではなく、それらがモーツァルトのスタイルに見事にフィットしているところが特徴です。
当盤の最大の魅力は、モーツァルトのスタイルを徹底的に尊重し、その細部にまで注意を払った演奏から生まれる「モーツァルトらしさ」の再発見にあると言えるでしょう。
◎デッカ・サウンドを引き継ぐ好録音
録音セッションは数多くの名録音を生み出したセント・ジョンズ・スミス・スクエアで行われ、写真からはコロナ対策として各奏者が距離を置いていたことがうかがわれます。録音はデッカで数多くの録音を制作したニール・ハッチンソン。
オーケストラの量感と透明感を両立させ、ソロ楽器の質感と存在感をさりげなく引き立てる絶妙なバランスで仕上がりました。
◎ジャケットについて
AAMレーベルの5作ではジャケットにパウル・クレーの絵を使用。
AAM総裁のジョン・マクマンによればホグウッドはクレーの作品を愛好し、オワゾリール・レーベルから出したピアノ協奏曲の最初の4枚にはクレーの絵が使われていました。
その後「商売上の理由で変えられた」そうですが、シリーズ完結へ向けて原点に回帰しました。
◎充実した解説書
原盤解説書は英語のみで50ページあり、前述のジョン・マクマンによる当プロジェクト再開の経緯とコロナ禍での録音現場の回想、モーツァルト学者クリフ・アイゼンによる作品解説、ロバート・レヴィンのモーツァルトに寄せる思い、首席フルート奏者レイチェル・ブラウンへのインタビュー、ソロ楽器のみならずメンバー全員の使用楽器の詳細、そしてオワゾリール及びデッカ・レーベルでの8枚とAAMレーベルで予定される5枚の計13枚のジャケット写真などを掲載するなど、大変充実した作りとなっており、制作者がこのプロジェクトにかける思いが伝わってきます。
(2/2)
ナクソス・ジャパン
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 00:55:26
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K 4671.
I. Allegro maestoso2.
II. Andante3.
III. Allegro vivace assai
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K 4914.
I. Allegro5.
II. Larghetto6.
III. Allegretto
(共にカデンツァ:ロバート・レヴィン作)
【演奏】
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
ウィーンのアントン・ヴァルター1795年頃製モデルによるフォルテピアノ
(ベルギーのクリス・マーネによる再現楽器、2018年製作)
ピッチ:A=430Hz/ヴァロッティ音律による調律
アカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージック(古楽器使用)
(リーダー:ボヤン・チチッチ)
リチャード・エガー(指揮)
【録音】
2021年8月25-26日
28-29日ロンドン
セント・ジョンズ・スミス・スクエア
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レヴィンがクリストファー・ホグウッド&AAMとオワゾリールで始めたピアノ協奏曲全集録音は、1993年に始まり1998年を最後に計8枚が出されて中断する。後年タワーレコードが初めて7枚のセットにまとめ、革新的創意に満ちた全貌が明らかとなった(廃盤)。楽器の選択、即興性の追究など、レヴィンの予見的意図はその後の「歴史的知見に基づく演奏」の潮流へ紐づいていく。亡くなったホグウッドをエガーが引継ぎ、2024年完成を目指して残る5枚の録音計画(装画はパウル・クレー)が、過去作含め丸ごとブックレットで確認できる。ECMへのソナタ全集と共にレヴィンのモーツァルト研究・実践を集大成する再開だ。
intoxicate (C)森山慶方タワーレコード (vol.163(2023年4月20日発行号)掲載)
アムステルダムのコンセルトヘボウ大ホールで行われた、レヴィン、ホグウッド、エンシェント室内管によるコンサートを聴きました。。モーツアルトの35番、間に24番の協奏曲と聴衆から出された主題による即興演奏を挟み、35番フィナーレで締めくくられた。最高の24番、CDにならないかと鶴首していた所、指揮者は違うものの、ついに発売されるとの事。本当にありがとうございます。
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