| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2023年01月30日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 新潮社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | 文庫 |
| SKU | 9784101044712 |
| ページ数 | 448P |
| 判型 | 文庫 |
構成数 : 1枚
目次
第一部 この国に真の終末観を……小松左京・未来への総力戦
「万博病」に取り憑かれた頃
『未来の世界』が描きだした至福
戦後産業文明の司祭として
科学が人類に突きつける諸刃の剣
例外なき総動員への執着
『ゴジラ』のアクチュアルな批評性
ゾロアスター教的な世界観
敗戦の恨みをSFと未来で晴らす
人類の完成は究極の選択の繰り返しの果てに
失敗を忘れる国、日本の根本的欠陥
第二部 島国の超克、漂泊者の夢……司馬遼太郎・過去へのロマン
騎馬民族の世界、農耕民族の世界
教条主義者より自由な放浪者として
日本が嫌いな歴史家の「遠いまなざし」
父系的な東国と母系的な西国
中国史を日本史に重ねて見立てる
東国の騎馬文化と西国の海人文化
神話が教える淡路の海人精神
黒潮の流れに乗る越人への幻想
北馬から南船への転向ドラマ『竜馬がゆく』
遊牧民・海民対定住民という二項対立
「日本国全土公有化」という非現実的ロマン
突破できなかった歴史の必然という難関
永遠にさまよい、街道をゆく大名行列
非定住者賛美の文学
過去を理想化したユートピア
第三部 持たざる国の省力法……小津安二郎・現在との持久戦
「雲をつかむような、棒杭を抱いているような」人間
銃後の黒澤と前線の小津のあいだの深い河
典型的「ぬうぼう」、笠智衆を選んだ理由
並大抵でない節約の思想
其処に存在するものは、それはそれでよしッ!
辿りついた平らかな円の思想
未来か過去か現在か――あとがきに代えて
解説 先崎彰容
「大破局」を描いた作家小松左京は、夢の大阪万博に何を見たのか。
モンゴルの草原に憧れた司馬遼太郎のロマンと、本質的悲劇とは。笠智衆を選んだ名匠小津安二郎。
その静かなる戦いと、いつかくる「最後の五分」に込めた覚悟とは。
鮮やかな着眼で巨匠たちの思考を読み解きつつ、日本の過去・現在・未来を浮かび上がらせていく。この国の断面を明らかにする画期的評論!
『見果てぬ日本』改題。

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