サーフ・ロック・バンド、ラ・ルースのフロント・ウーマン、シャナ・クリーヴランドのサード・ソロ・アルバムが完成。様々な経験を経て完成した超自然的なラヴ・アルバム『マンザニータ』、サブ・ポップ傘下のハードリー・アートよりリリース。
マンザニータは、強い薬効があるとされるカリフォルニアに自生する木の一種で、ヴィジュアル・アーティスト、作家、ソングライター、ミュージシャンであるShana Clevelandの新しいアルバムのタイトルでもある。収録される曲は、繊細で、パワフルで、恐れを知らない。レンガのように強く、今後何年にもわたって他の人にカバーされる運命にあるようだ。『Manzanita』は愛するための愛に関するアルバムで、「カリフォルニアの荒野を舞台にした超自然的なラヴ・アルバム」とClevelandは説明する。田舎への引っ越し、家族の誕生、乳がんを乗り切ること等、アルバムは、時間、仕事、献身を経験しなければ作り上げることができない愛に関係する。
「曲はすべて、妊娠中(サイドA)か、息子が生まれた直後の、すべてが静かに、しかし大きく変化した奇妙な状態(サイドB)で書かれた」とClevelandは言う。歌詞は、1960年代のニューヨーク派の詩の典型である浮遊感のある気まぐれな描写で、直接的である。サウンド的には、彼女のこれまでのソロ・アルバム同様、彼女のバンドであるLa Luzのガレージ・ポップからは後退し、離れている。これは、使用されているサウンドパレットが異なっていることが一因だ。Clevelandが引き続きギターとボーカルを担当。彼女のソロ作品と初期のLa Luzのレコーディングを担当するJohnny GossとAbbey Blackwell(Alvvays、La Luz)がベース、Olie Eshlemanがペダルスティール、Will Sprottがキーボード、ダルシマー、グロッケン、ハープシコードをプレイしている他、自然界の音がインプットされたシンセが何層も追加されている。
発売・販売元 提供資料(2023/02/17)
アコギの弾き語りを包み込むように加えられた楽器の音色は、もはや環境音という位置づけなのかも。サーフ・ロック3人組、ラ・ルースのフロントウーマンによるソロ第3弾は、そんなアトモスフェリックな音像が実に心地いい。トラッド・フォーキーな"Sheriff Of The Salton Sea"にはブルースの影響も。"Walking Through Morning Dew"ではストーンズ風のギター・リフも鳴る。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.472(2023年3月25日発行号)掲載)