西アフリカを代表するマリ出身のギタリスト兼シンガーソングライター、アリ・ファルカ・トゥーレがそのキャリアの中で、様々な国、様々な場所でレコーディングした音源に今、新たな光があたる。
キング・オブ・デザート・ブルースによる貴重な未発表音源を1つに集めたアルバム『VOYAGEUR』完成。アナログも同時発売。
西アフリカを代表するマリ出身のギタリスト兼シンガーソングライター、アリ・ファルカ・トゥーレ。1980年代後半から世界のワールド・ミュージック・シーンから注目を集めた彼は、以後、欧米各国でのツアーや、タジ・マハール、チーフタンズとの共演を含むジャンルを超えた活動、またアフリカン・デザート・ブルースのパイオニアとして、広くその名を知られることとなる。また1994年にはライ・クーダーとの共演作"Talking Timbuktu"(トーキング・ティンブクトゥ)、そして2010年にはトゥマニ・ジャバテとの共演作『Ali&Toumani: In The Heart of the Moon』で、グラミー賞を受賞した。2006年に惜しくもこの世を去ったが、没後16年を経た今も尚、彼が伝えたマリの伝統音楽とアフリカン・デザート・ブルースの遺伝子は新たな世代へと受け継がれている。
そのアリ・ファルカ・トゥーレが遺した貴重な未発表音源が1つのアルバムとして陽の目を見る。アリ・ファルカ・トゥーレ名義としては2010年の『ALI AND TOUMANI』以来のアルバムとなる本作『VOYAGEUR』。これは彼が15年に亘り、トンブクトゥ(ティンブクトゥ)の砂漠からウエスト・ハリウッドのスタジオ、ロンドンや東京のコンサート・ホールは、マリの川沿いにある小さな町など、様々な国、様々な場所で録音した15曲を集めた作品である。いずれの楽曲にも、彼の母国マリの創造性豊かで多様性に溢れた文化への深い傾倒や、世界各地を渡り歩く旅人としての姿が反映されている。またアルバムには、彼がワールド・サーキットへと導いた同郷マリのシンガー、ウム・サンガレが3曲にフィーチャーされている。
アリ・ファルカ・トゥーレならではのソンガイ・スタイルのグルーヴにリヴァーヴを多用したギターにリュートを中心としたアフリカ流ノイズ・バンド風のサウンドまで、アリがそのキャリアの中で集めてきた音楽のコレクションに今、新たな光があてられる。
発売・販売元 提供資料(2023/02/10)
マリ出身のギタリスト/シンガー・ソングライターで、〈砂漠のブルース〉のパイオニアとしても評価されるアリ・ファルカ・トゥーレ。これはさまざまな土地で録音された2010年以来の未発表音源集で、ウム・サンガレが3曲にフィーチャーされている。昨年リリースされた息子ヴィユーとクルアンビンのタッグ盤、その名も『Ali』で興味を持った人にも打ってつけの発掘盤だろう。
bounce (C)大原かおり
タワーレコード(vol.472(2023年3月25日発行号)掲載)