カリ・マローン(Kali Malone)と並ぶ、ミニマル/ドローン奏者の新鋭、エレン・アークブロがシンガーとして本格デビュー。彼女のキャリアやソロ作品からは想像できない、マジー・スターのホープ・サンドヴァルを想起させる魅惑のウィスパー・ヴォイスは、早耳な音楽ファンの間では既に話題沸騰中。同郷の友人のジャズ・ピアニスト、ヨハン・グレイデンと組んだ、親密かつ綿密な共同制作よる、スタンダードな雰囲気を醸しながらも前衛性・先進性も持ち合わせ、静寂さと激情を同時に感じさせつつ、息遣いと空気感がリアルに伝わる圧倒的なアンサンブルは必聴。二人の高校生時代にヴォーカルとピアノの演奏からスタートした関係が、数年前に新たなコラボレーションで復活し、その後何年かに渡り、地元スウェーデンのストックホルムの優れたミュージシャンやインプロヴァイザー達と共に完成させた、時間の流れを忘れさせるような、タイムレスで至高の傑作アルバム。 (C)RS
JMD(2022/12/10)
カリ・マローン(Kali Malone)と並ぶ、ミニマル/ドローン奏者の新鋭、エレン・アークブロがシンガーとして本格デビュー。
彼女のキャリアやソロ作品からは想像できない、マジー・スターのホープ・サンドヴァルを想起させる魅惑のウィスパー・ヴォイスは、早耳な音楽ファンの間では既に話題沸騰中。
同郷の友人のジャズ・ピアニスト、ヨハン・グレイデンと組んだ、親密かつ綿密な共同制作よる、スタンダードな雰囲気を醸しながらも前衛性・先進性も持ち合わせ、静寂さと激情を同時に感じさせつつ、息遣いと空気感がリアルに伝わる圧倒的なアンサンブルは必聴。
二人の高校生時代にヴォーカルとピアノの演奏からスタートした関係が、数年前に新たなコラボレーションで復活し、その後何年かに渡り、地元スウェーデンのストックホルムの優れたミュージシャンやインプロヴァイザー達と共に完成させた、時間の流れを忘れさせるような、タイムレスで至高の傑作アルバム。
カリ・マローン(Kali Malone)やカテリーナ・バルビエリ(Caterina Barbieri)との交流でも知られる、エレン・アークブロ(Ellen Arkbro)は、スウェーデンはストックホルム出身のサウンドアーティスト・作曲家・ミュージシャン。
ヨハン・グレイデン(Johan Graden)は、スウェーデン出身で、現在はヨルダンのアンマン在住のクラシック界とコンテンポラリー・ジャズ・シーンを行き来する(ジャズ meets 室内楽的な2018年のリーダー作『Olagenheter』がある)ピアニストで、エレンの2017年にリリースされたソロ名義作『For organ and brass』でも共演(オルガンで参加)している。
この二人による初のデュオ名義のアルバムは、ドローン作家(パフォーマー)・ギター、コンサーティーナ、パイプオルガン、シンセサイザー等の演奏家としての印象が強いエレンの、本格的なヴォーカル(クレジット上はvoice)を全曲フィーチャーした予想外な作品となった。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2022/12/08)
エレンのウィスパー・ヴォイスは、マジー・スターのホープ・サンドヴァルを想起させ、同じ北欧(ノルウェーのRune Grammofon)の女性ヴォーカル+ジャズ・エッセンスなSusanna and the Magical Orchestraのサウンドを思い出させたりもするが、より荘厳で、儚げで、時に重厚で、クラシカル(室内楽的)な要素もあるが、それでいてヴォーカルと生楽器(ヨハンのピアノだけでなく、木管楽器、ブラス、コントラバス)やシンセのアンサンブルが有機的かつ繊細にブレンド(適材適所に配置)され、適度な緊張感を湛えながらも、非常に聴き心地の良いアルバムに仕上がっている。
ホーギー・カーマイケル作の、チェット・ベイカー、ニーナ・シモン、ビリー・ホリデイ等の歌唱で知られる名曲と同じアルバム・タイトルも、内容と絶妙にリンクし非常に秀逸。
ヴォーカルと生楽器による新たな表現を実践したビョークの『フォソーラ』(バス・クラリネットを大胆に使用)、ルクレシア・ダルト(Lucrecia Dalt)の『iAy!』(ダブル・ベースやトランペット、クラリネットやフルートを効果的に使用)にも呼応するかのような、2022年の隠れたマスターピース。
解説は、最新作『Quiet Corner - Always By Your Side』が発売されたばかりのQuiet Cornerの山本勇樹さん、ご自分のnoteにて素晴らしいレビューで本作を紹介して下さったよろすずさん(Shuta Hiraki名義でのアルバム『A Wanderer』をリリースしたばかり)、そして本作に惚れ込んで日本盤をリリースすることを決めたHEADZ主宰の佐々木敦が担当。
日本盤CDのみのボーナス・トラック 1曲(アルバム収録曲に勝るとも劣らない新曲「Postcard greetings」)収録決定
解説・歌詞・対訳付(Thrill Jockey盤には歌詞は掲載されていません)(2/2)
発売・販売元 提供資料(2022/12/08)