Of Sight And Sound

アーチー・シェップ、カサンドラ・ウィルソン、ワダダ・レオスミス、キップ・ハンラハンらのサイドメンとして活躍したブランドン・ロスが率いるバンド「PENDULUM」
ネオ・シンボリック・アブストラクト画家フォード・クルルとコラボした新しいレコーディング/マルチメディア作品をリリース

ブランドン・ロスが率いるバンド「PENDULUM」と、ネオ・シンボリック・アブストラクト画家フォード・クルルによる、新しいレコーディング/マルチメディア作品『Of Sight and Sound』をリリース。
ブランドン・ロスはニュージャージー生まれのギタリスト。18歳の時にアーチー・シェップ『トランペット・イン・マイ・ソウル』に参加。カサンドラ・ウィルソン、ワダダ・レオスミス、キップ・ハンラハンらのサイドメンとして活躍し、2004年にソロデビュー作『コスチューム』を発表。
彼とクルルとの関係は、スピリチュアルな研究グループで出会ったことがきっかけ。お互いの作品への興味は長年の友情の中で発展していく。2012年、ロスはブルックリンのジャロピー・シアターでの公演のためにバンドを結成するよう依頼され、弟のベーシスト、ケヴィン・ロス、ドラマーのクリス・エドルトンらを束ね「PENDULUM」が誕生した。
2015年にニューヨークで行われたPENDULUMのライヴで、クルルはその演奏に感銘を受け、彼らのサウンドをジミ・ヘンドリックスが進化したようなイメージになぞらえたという。そして、クルルは、ロスの音楽に合わせて目隠しをして絵を描くというプロジェクトを提案。クルルが目隠しをされた状態で、25×6フィートの白い紙の上を、黄色、赤、黒の3色を駆使して行ったり来たりしてペインティング。バンドメンバーはその展開に合わせ、「グラフィック・スコア」として自らの判断で音楽的な反応を返していく。
ギターのリバーブ、シンバル、電子的アンビエントの渦の中で始まり、点描的なドラムとギターのうめき声が形を取り始めるToil3連作。ロスの暖かいギターがハーデッジのエレクトロニクスと出会う「First Yellow Icon」、鳴り響くギタートーン、陰鬱なベース、囀る電子音、バレエ的パーカッションの静かな内省的な音色でアルバムを締めくくるタイトル曲など、聴き所満載。

重鎮アーチー・シェップ、歌姫カサンドラ・ウィルソン、鬼才キップ・ハンラハンら様々なジャンルのブレーン達のサイドメンとしても活躍・機能してきたブランドン・ロス率いる"PENDULUM"とネオ・シンボリック・アブストラクト画家:フォード・クルルとのコラボ作品。弦楽リバーブやトーン、シンバル、電子的アンビエント、点描的なドラム、陰鬱なベース、囀る電子音。内省的な音色で暖かさを内包する。ロスの音楽に合わせ目隠しで描かれたジャケットも有機的。各々のクリエイティブな姿勢が個となり、合わさるのではなく共存した結果の傑作。ええやんええやん。
intoxicate (C)黒田"ハイプ"朋規