東京ヒップホップシーンの脈動を伝えるラッパー、CENJU & YAHIKOが、新作アルバムをリリース! (C)RS
JMD(2023/03/09)
Shan2のBGMは決まってレゲエだ。たぶんロックステディが多い。10人ほどで満員になる店内には、十分すぎるほどの本格的なサウンド・システムが整っている。
『CAKEZ』に収録された"夜の帳 feat. OI & 仙人掌 prod. DJ HIGHSCHOOL"を聴けばわかるように、レゲエはCENJUのエッセンスの1つだ。UNKLE FISHが参加し、ラガフレイバーが前面に押し出された Tr.1「Barter」 で、CENJUとYAHIKOはルードに正しくそれが"偽物"か"本物"かを問いかける。
混ぜるのも禁止だ。
快楽の追求に(やりすぎなまでに)本気な彼らにとってそれは圧倒的な判断基準であると同時に、退屈な日常を極上に浄化させるユニークなものさしでもある。『Neighborhood』にはそんな正気と狂気を行き来するような世界が広がる。
奇怪に脈動するバウンスが効いていて、不穏に浮遊感あふれ、ときにやさしいサウンドはDJ HIGHSCHOOLらしさ全開だ。D.U.O Tokyoから盟友ERAとOS3の客演も抜群である。オーセンティックなスタイルを突き通しながら、詩を立体的に、まるで言葉たちに導かれるように組み立てていくYAHIKOのラップはヒップホップに不可欠。フロウを柔軟に操るCENJUのリリックはシニカルで容赦ないが、なによりも正直である。
それからすこし深く踏み込んでいくと、極彩色に吸い込まれそうな日常がすぐ隣にあることがわかる。そして"リアルが条件"のストリートで生きてきた男は、ときに内省的に、普遍的な不安を吐露する。だが、そういうときにも、家族は支えになる。Shan2に行けば、誇れる仲間たちに会える。CHIYORIが「誰も咎めないよ もうとっくに」と歌い上げるように、この作品がうつむいた顔をあげろと語りかけてくれる。
発売・販売元 提供資料(2022/12/09)
DOWN NORTH CAMP(2019年に解散)のメンバーとして知られたCENJUとYAHIKOが、DJ HIGHSCHOOLのバックアップでタッグ作を完成。リアルとフェイクを肴にしてUNCLE FISH(ex.SKYFISH)のラガな語りを連れ立った"Barter"で見せる矜持は、アルバムの随所にこぼれている。ラストの"Memories"は40の声を聞いてなお惑うCENJUのリアルに客演のCHIYORIの歌声が寄り添った一曲だ。
bounce (C)一ノ木裕之
タワーレコード(vol.470(2023年1月25日発行号)掲載)