最強無敵のロック・プリンセス=アヴリル・ラヴィーン 最新アルバム『ラヴ・サックス』(レッド・ヴァイナル)
最強無敵のロック・プリンセスであるアヴリル・ラヴィーンの最新アルバム『ラヴ・サックス』。
2021年1月10日に自身の新曲としては約1年半ぶりのメイン・シングルとしてリリースした楽曲「バイト・ミー」。プロデューサーにトラヴィス・バーカーを迎え、ジョン・フェルドマン、モッド・サン、オメル・フェンディ、そしてマシュメロといった豪華メンツに囲まれながら制作されたこの楽曲はアヴリルらしいカラフルなポップ・パンクで、エネルギッシュなナンバーに仕上がっており、<アヴリルのまさにこんな曲が聞きたかった>と世界中で大絶賛となった。「私に構わないで」と強い口調で歌うアヴリルはパートナーとの思い出に決別して、後悔を抱えつつも振り切って前進する非常に強いメッセージを発信、そんなアヴリルのメッセージからもファンは希望と勇気を受け取った。
続いて発表された新曲「ラヴ・イット・ホウェン・ユー・ヘイト・ミー」は、マシュー・タイラー・マストによるソロ・プロジェクトであるブラックベアーを迎え、「バイト・ミー」に続いて爽快なポップ・パンクを展開。またしてもファンが狂喜する仕上がりとなっており、「ベイビーなんて呼ばないで あなたに嫌われるのって最高」と歌うアヴリルと「そう 君に嫌われるのって最高さ俺を消し去ってくれればいいのに」と返すブラックベアーのテンポの良い掛け合いにぐいぐいと引き込まれてしまう快作。この2曲に加えて、アルバムには先日女優のミーガン・フォックスと婚約したことでも話題になっていたアーティスト、マシン・ガン・ケリーや<ブリンク 182>のマーク・ホッパスの名前がクレジットされている。
発売・販売元 提供資料(2022/10/28)
ペール・ウェイヴスやウルフ・アリスといった世代に及ぼした影響も自然に顕著になるなか、Y2K再評価とかじゃなくてもアヴリルはアヴリル……というわけで、日本でも不動の人気を誇る彼女の3年ぶりのアルバムは、モッド・サンとジョン・フェルドマンをブレーンに据え、マシン・ガン・ケリーやトラヴィス・バーカー、ブラックベアらを交えた今様のパンキッシュなポップ・モードに向かっているのがめちゃくちゃ頼もしい。華があります。
bounce (C)大原かおり
タワーレコード(vol.459(2022年2月25日発行号)掲載)