ヴァディム・ホロデンコ登場! 故郷ウクライナの人々へ捧げるアルバム。
第4回仙台国際音楽コンクールの覇者、ヴァディム・ホロデンコ!
ジェフスキーの大作「《不屈の民》による36の変奏曲」!
ウクライナの若き巨匠ヴァディム・ホロデンコがファツィオリF308を自在に操り、自由で独立したウクライナの人々へ想いを捧げるアルバム。多彩な引き出しを駆使して多くの変奏曲を遺したベートーヴェンの「ヴラニツキーのバレエ《森の乙女》のロシア舞曲による12の変奏曲」。そして1960~70年代にラテンアメリカ各地で起こったヌエバ・カンシオン(音楽を通した社会変革運動)の中で人民連合政府の歌として作曲され、今日でも世界中で歌われる「The People United Will Never Be Defeated!(団結した民衆は決して敗れることはない)」をもとにジェフスキーが変奏曲に仕上げた大作「《不屈の民》による36の変奏曲」という2つの変奏曲を弾きます。プログラムの最後に置かれたのはでホロデンコと2011年にモスクワ音楽院で出会って以来友人同士であるというロシアの作曲家、アレクセイ・クルバトフの2015年の作品「最後の3分間」。2人の深い友情と厚い信頼によってこの作品の世界初録音が実現しました。
元々このプログラムは2021年9月にヴァイオリニスト、ロマン・ミンツの独創的なアイデアに触発されて生まれたものでしたが、2022年2月24日を境にまた一つ別の意味を持つものとなりました。ホロデンコはこのアルバムのリリースに際し「レコードは通常、発売後にそれぞれの人生を歩み始めるものです。しかし、この作品はたまたま特別なもので、発売の段階に至るずっと前に、まさにその意味を獲得していたのです。」と語ります。
ヴァディム・ホロデンコは深みのある音と洗練された表現力、そして完璧なヴィルトゥオーゾ性を兼ね備えた、ユダヤ人の血を引くキーウ(キエフ)出身のピアニスト。2010年の第4回仙台国際音楽コンクールで第1位を獲得してその名を上げると、翌年にはドルトムントのシューベルト国際コンクールで優勝、さらに2013年にはヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでも優勝し一躍同世代のトップ・ピアニストの仲間入りを果たし、現在に至るまで第一線で活躍し続けています。自分の存在が世に知れ渡るきっかけとなった仙台を特別な地と話し、その後も度々来日を果たして日本でも多くのファンを獲得している人気ピアニストの一人です。
東京エムプラス
発売・販売元 提供資料(2022/11/10)
ロシア・ピアニズムの名伯楽ゴルノスタエヴァの愛弟子、ホロデンコはライナーノートの冒頭で、故郷の地、「自由で独立したウクライナの不屈の民に」と献辞を捧げた。ロシア舞曲を主題とする楽聖の愛らしい変奏曲を冒頭に、2021年6月に死去したジェフスキーの名作《不屈の民》変奏曲を軸とし、ロシアの作曲家による箴言的な小品を巻末に置く。録音は2021年夏(なおロシアのウクライナ侵攻は翌年2月24日に始まる)。ジェフスキーが5分とだけ指定したカデンツァ、第36変奏でホロデンコは何とドアーズを引用、《ジ・エンド》を前奏から奏で、アタッカで主題へと回帰させる。ホロデンコの意志を汲み取りつつ、傾聴したい。
intoxicate (C)森山慶方
タワーレコード(vol.161(2022年12月10日発行号)掲載)