フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
輸入 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2022年12月09日 |
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規格品番 |
GS2280 |
レーベル |
|
SKU |
4909346312005 |
2トラック、38センチ、オープンリール・テープ復刻シリーズ
■制作者より
もはや説明不要の名盤、VPOとのベートーヴェン「英雄」。2トラック、38センチ、オープンリール・テープによる復刻盤を一度GS-2158(2017年)で発売しましたが、その際は標準的なテープにコピーされたものを簡易に再生してマスタリングしたものでした。それでも大好評でまたたく間に完売してしまいました。しかし、今回はその時に使用したテープを使い回さず、高品質のテープにプリントしたものを新たに取り寄せ、それを録音スタジオに持ち込み、全行程をプロ用の機器でマスタリングを行いました。結果は全く驚くべきもので、時間とお金をかけた甲斐がありました。同様の方法で残るベートーヴェンの交響曲第1番、第4番、第5番、第6番「田園」、第7番も準備中です。ご期待下さい。また、解説書もそれぞれ大幅に改訂しております。(平林直哉)
キングインターナショナル
構成数 | 1枚
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」
【演奏】
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1952年11月26&27日
ムジークフェラインザール(ウィーン)
使用音源:Private archive (2トラック、38センチ、オープンリール・テープ)
録音方式:モノラル(録音セッション)
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1.[CD]
フルトヴェングラーが1952年にウィーン・フィルとスタジオ録音したベートーヴェン『英雄』は、演奏の素晴らしさのみならず音質の良さもあって、この指揮者の遺した録音の中でも三指に入ると言われているものです。今回新たに取り寄せた、高音質のテープから復刻したというディスク(GS2280)は未開封のままの新品という、素材としてこれ以上はあり得ないものです。そして、そこから再生した音ですが、これは想像を絶するもので、今まで聴いていたディスクは何だったのだ、と思うほどです。オケの息遣いがはっきりとわかり、あたかも録音現場に立ち会っているような錯覚に襲われました。指揮者も気力体力ともに充実、圧倒的な音楽で聴くものに迫ってきます。アマデウス四重奏団の第1ヴァイオリン奏者、ノーバート・ブレイニンは「フルトヴェングラーとベルリン・フィルの演奏会で聴いた『英雄』の最初の二つの音がずっと忘れられない」と語っていたそうです。もちろん、このCDでの演奏はベルリン・フィルではなくウィーン・フィルですが、この奥深く幽玄な響きはその言葉を裏付けているのかもしれません。カップリングやボーナストラック無しは見識。ここ数年のグランドスラム・レーベルの新譜の充実ぶりは凄いの一言に尽きます。
演奏については語り尽くされた名演奏なので、本盤の音質のみについてコメントしたいと思います。本盤を聴いたとき予想外の良い音質なのに驚き、この際なのでオリジナルLP(ALP1060)、SACDハイブリッド盤(EMIミュージック・ジャパン)、SACDシングルレイヤー盤(同前)、正規レコード用録音集大成のArt & Son Studioの最新リマスター盤CDをすべて聴き比べてみました(ただし第一楽章のみ)。その結果、最良なのはオリジナルLPと本盤でした。オリジナルLPがこんなに良い音だとは驚きでした。本盤はそれとも遜色なくほぼ同じに聞こえます。ただLPの方は木管楽器は木管の音がし、ホルンのソロはホルンらしい柔らかな音がし、やはりLPは自然な音だなと思いました。本盤はそれに比べるとCDらしくやや金属的な感じがあります。このような同質性を聴く限りやはりLPと2トラック38センチオープンリールテープがマスターテープの音を反映していると思います。これに比べるとSACDは音がくぐもっていて音場ののびやかさに欠けます。Art & Son Studioの最新リマスタリングは音場の伸びやかさが欠けている上に高音域を一見きれいに聞こえるように磨いてはいるが、腰の落ち着きはないしフルトヴェングラーの風格はどこに行った?といいたくなるほど魅力のない演奏になってしまって、リマスターの音操作は恐ろしいものだと愕然とします。55枚組を大枚はたいて買ったのにこんなにガッカリするとは!(笑)
ともあれこの復刻盤は素晴らしい。これから続く発売が楽しみです。それにしても聴くまでに手前がかかるので最近あまりLPを聴かなくなっていましたが、こんなに良い音だとは実に意外でした。やはりアナログ録音の場合LPは馬鹿にできませんね。LPはもっと痩せた音だと思い込んでいた自分を反省です。
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」というのはどういう曲だろうか。わたしはこう考えている。真の「英雄」、「英雄」足らしめている曲だ、と。今の時代「わたしはこんなにも細かい部分に気が付いているのですよ」、「わたしはこんなわずかな感情の変化もおろそかにはしません」といかにも賢しらぶって語る人間が多いことか。しかし真の感情、真の強者というのはそんなものではないだろう。人間というのはそんなつまらないものではないはずだ。わたしはそれを求めて音楽を聴くしそれを求めて(個人的には)哲学をやっている。そしてそれを最も強く意識させてくれる指揮者がフルトヴェングラーなのだ。わたしはこの人を生で聞けた人に強烈に憧れるし、またその音をこんな素晴らしい音で聞ける幸運を感謝したい。自分は幸せだ。
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