ノラ・ジョーンズ、2021年にリリースされ大きな話題を呼んだ初のクリスマス・アルバム『アイ・ドリーム・オブ・クリスマス』に、新録曲やライヴ・パフォーマンスを追加した2枚組となるデラックス・エディションが登場!
9つのグラミー賞受賞経験を持つノラが満を持して2021年にリリースしたクリスマス・アルバムはクリスマスの名曲のカヴァーの中にホリデイをテーマにしたオリジナル曲を散りばめたアルバムで、歌詞の中にジョリー・ジョーンズ( Jolly とは、クリスマス・シーズンによく使用される言葉で Happy などの類語)などノラ・ジョーンズをもじった言葉なども登場し、遊び心が随所に見られるクリスマスにぴったりの作品。
カヴァー曲は、誰もが一度は耳にしたことのある「ホワイト・クリスマス」「クリスマス・ワンダーランド」などの名曲で、ノラのスモーキーな歌声と優しいピアノでアレンジされた。プロデューサーは、『ビギン・アゲイン』の「イット・ワズ・ユー」や『ピック・ミー・アップ・オフ・ザ・フロア』に収録された「セイ・ノー・モア」「トゥ・リヴ」などにテナー・サックスとして参加していたレオン・ミッチェルズが務め、アルバムに収録されている「クリスマスタイム」と「ユーアー・ノット・アローン」では共作者としてノラと名を連ねている。
今回追加される楽曲は、「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」や「ザ・クリスマス・ワルツ」といったクリスマスの定番曲のスタジオ新録、そして昨年末に行われたエンパイア・ステート・ビルディングでのパフォーマンス音源で、計11曲、約40分という大ボリューム。今年の冬も、ノラと楽しもう。
2LPもリリース!ゲイトフォールド仕様。
発売・販売元 提供資料(2022/10/07)
As one of the most prominent jazz-pop singers of the modern era, its a bit surprising that Norah Jones hasnt released a Christmas album before now. Her music has always had a sense of style and class, so perhaps she was waiting until shed written a batch of seasonal material strong enough to go up against standards like Irving Berlins "White Christmas" and Vince Guaraldis "Christmas Time Is Here." On I Dream of Christmas, her eighth studio album, she offers both. Tucked amid elegant arrangements of the two aforementioned standards are crafty Jones originals like "Christmas Calling (Jolly Jones)" and "Its Only Christmas Once a Year," each one built to last more than one season. Sung in her intimate, relaxed style, bluesy riffs on the Chipmunks "Christmas Dont Be Late" and Elvis Presleys "Blue Christmas" take on new life, while "Ill Be Home for Christmas" has never sounded quite so sultry. The original "Youre Not Alone" is a timeless bit of Yuletide gospel soul that goes shoulder to shoulder with the reliably evergreen "Ill Be Home for Christmas." Playful, cozy, and effortlessly low-key, I Dream of Christmas has all the hallmarks of a seasonal staple. ~ Timothy Monger
Rovi
心躍る冬の日にあなたはどんな夢を見る? ジョリー・ジョーンズから初めて届いたクリスマス・アルバムはソウルフルな楽しさに溢れている!
2020年のオリジナル作『Pick Me Up Off The Floor』に続き、今年4月には初のライヴ盤『'Til We Meet Again』を出すなど、コロナ禍の影響を受けながらも精力的に動いてきたノラ・ジョーンズ。ということで、今度は彼女にとって初のクリスマス・アルバム『I Dream Of Christmas』が登場です。これまでも企画コンピに"Peace"(2003年)を寄せたり、賛美歌の"It Came Upon A Midnight Clear"(2012年)や"It's Not Christmas Til You Come Home"(2017年)を配信したり、それこそプス・ン・ブーツのクリスマスEP『Dear Santa...』(2019年)も記憶に新しい彼女だけに、今回の試みはありそうでなかったもの(なお、9月には冬ソングをコンパイルしたEP『Winter Jones』も配信しています)。本人いわく「クリスマス・アルバムを聴いていると私自身、心がすごく落ち着きます。これまでクリスマスにフォーカスを当てた作品を作ろうと思ったことはありませんでしたが、いざ取り掛かってみると制作過程はとても楽しいものでした」とのことで、いつもとは違うシチュエーションだからこそ生まれたアルバムなのかもしれません。
いつもとの違いは、作風そのものについても言えるでしょう。特に2010年代に入ってからのノラは往時のジャズ・ヴォーカリスト然としたシックな作風よりもいわゆるシンガー・ソングライター的な表現を好んで表に出してきたわけで、その意味でも今回の『I Dream Of Christmas』は久々に聴き手を選ばない作品と捉えることもできそうです。
そんな親しみやすさを音という形で具現化したのはプロデューサーのレオン・ミッチェルズ。先述の『Pick Me Up Off The Floor』などにサックス演奏で参加していたマルチ・プレイヤーの彼は、エル・ミシェルズ・アフェアやメナハン・ストリート・バンドなどダップトーン~ビッグ・クラウン系の諸バンドで活躍するマルチな才人です。ヴィンテージな生音でモダンなソウル作品を生み出してきた彼の手腕が、リラックス・モードのノラをよりハートウォーミングな方向に導いたのはアルバムを聴けば明らかでしょう。
本編に収められた13曲中の6曲がノラ書き下ろしのオリジナルで残りは定番のスタンダード。みずから〈ジョリー・ジョーンズ〉を名乗る冒頭の"Christmas Calling(Jolly Jones)"からして、楽しんで今作に取り組んだ様子は浮かんできます。なかでもレオンと共作したサザン・ソウル調の"Christmastime"と"You're Not Alone"はスモーキーで落ち着いた歌声とゴスペル風の意匠が昂揚をもたらす名曲と言えましょう。その魅力はスタンダード群にも共通するもので、ジャズ・バラードの"Blue Christmas"なんかもオーセンティックなノラの良さを改めて思い出させてくれるはず。来年でデビュー20周年を迎えるノラですが、この優しい作風に節目で回帰したことは大きな意味を持ってくるかもしれませんね。
bounce (C)大原かおり
タワーレコード(vol.456(2021年11月25日発行号)掲載)