元々はフォーク・ロックデュオとして誕生し、その後Simen Valldal Johannessen(p/vo)・Oystein Sootholtet(b)・Ole Michael Bjorndal(g)・Sigbjorn Reiakvam(drs)の4名によって'13年結成されたノルウェー産新鋭アート/ポスト・ロックバンドの'22年作がCDと同時にホワイト・カラー・ビニール仕様の重量盤LPでもリリース。

前作完成直後から制作が開始され「自殺と精神的健康」という繊細で現実的なテーマを取り扱った本作では、前2作以上に幅広い音楽性を取り入れつつ、加えて要所で鋭いエッジを効かせて静と動とのコントラストをくっきりと浮かび上がらせた、これまでで最もダイナミクスを感じさせる作品。フックもありつつどこかしら意図的に"ズラした"煮え切らなさも残るオルタナ/ポスト・ロック調のメロディー、ビートを効かせたエレクトロニクス、フロイドから直接的な影響を受けたと思しきサックスを採用したムーディーなモード、そしてこのバンドのサウンドを決定づける幻想的なサウンドスケープなどが分け隔てなく漂う空気感を北欧ならではの透明な冷気と情感でまとめ上げ、Kscope勢のバンド/アーティストにも匹敵するメジャー感と強度で迫る秀作。

発売・販売元 提供資料 （2022/10/19）