世界中のDJとアーティストに大きな影響を与え続けるジャイルス・ピーターソンとアシッド・ジャズ~ジャズ・ファンクの頂点に立つバンド=インコグニート(Incognito)のリーダーであり、世界最高峰のギタリストとしても名を馳せるジャン・ポール・"ブルーイ"・モーニックからなるスーパー・プロジェクト、ストラータ(STR4TA)。2人による待望のセカンド・アルバム『STR4TASFEAR』。
作品に詰め込まれた歌とメロディーとグルーヴ、すべてがリスナーを新しい音楽の世界へ導く。ジャイルスとブルーイは、ともにブリット・ファンクの世界に登場したミュージシャンであり、両者ともイギリス国内で培われる音楽の物語が真に盛り上がっていたこの時代に、なくてはならない存在だった。その音楽は、力強く響くベースライン、軽やかなシンセのメロディー、規則的なビート、そして別世界を思わせるかすかなボーカルを贅沢に混ぜ合わせたものだ。
今回の新作のために2人は同じ志を持つ仲間を集め、過去の遺産と、音楽界に強い影響を及ぼしている革新的な新世代とを繋ぐ作業に一丸となって取り組んだ。アルバムの核となるコンセプトとして、過去を懐かしむ気持ちと今この瞬間を大切にしたいという強い願いが交錯する。そしてそれは作品の要所を彩る数々のパフォーマンスを通じて表現されている。作品にはネオ・ソウルの創始者である多才なミュージシャン、オマー、自由な精神と豊富な音楽の知識を持つエマ・ジーン・サックレイ、トランペッターでボーカリストのセオ・クローカー、ブライトン出身のデュオ、アヌーシュカ、そしてガリアーノのボーカルを務めたヴァレリー・エティエンヌらがフィーチャリング・ゲストとして参加している。
ジャイルス・ピーターソンは、総合プロデューサーとして、制作過程の中で、70年代後半から80年代前半にかけてのブリット・ファンクやエレクトロ・ソウルの膨大で幅広い知識を活かしてサウンドの質を高めるとともに、DJ、レーベル主宰者、キャスターとしての長きにわたる経験を元に、さまざまなミュージシャンたちの新しい価値観を紹介する案内人を務めている。そこに創造的な流れを加えているのが、高い評価を受けるミュージシャンでありプロデューサーのジャン・ポール・"ブルーイ"・モーニックである。彼が単独で、なおかつ記録的短時間でプロデュースした「Night Flight」は、2人が重ねてきたセッションのひとつが起点となったトラックで、ドラムマシーンTR-88のサウンドが特徴的である。
またプロデューサー/エンジニアとして参加したモー・ハスラーの貢献は計り知れないものがあり、アルバムにおける音の風景を完成させるためには彼の力が欠かせなかった。そしてアルバムの構想は、作中の至るところに登場する伝説的なキーボードとピアノの奏者ピーター・ハインズ(アトモスフィア、ライト・オブ・ザ・ワールド、インコグニートのメンバーでもある)の驚異的な才能によって完成された。
発売・販売元 提供資料(2022/10/25)
ジャイルズ・ピーターソンとブルーイのプロジェクトによる第2章は、インコグニート人脈の新旧ブレーンが集ってパーマネントなバンド感を重視しながらグルーヴィーに仕上げた毎度の高水準ぶり。一方でエマ・ジーン・サックレイやセオ・クローカーら後進が踏み込んだ関与を見せていたり、ヴァレリー・エティエンヌやアヌーシュカのヴォーカル曲があったり、前作以上の好ましい多彩さも光る。"Why Must You Fly"にはオマーが演奏でのみ参加!
bounce (C)狛犬
タワーレコード(vol.468(2022年11月25日発行号)掲載)