マドンナをも虜にするユージン・ハッツ率いるジプシー・パンク・バンド、ゴーゴル・ボルデロ。
ハッシの母国ウクライナの戦争やパンデミック等、逆境に直面したときのサヴァイヴァルにインスパイアされた8枚目のアルバム『ソリダリティン』、リリース。
「これは生存と忍耐の音楽だ。それが常に我々の主な原動力だ。僕たちはただ、人間の可能性とパワーのメッセージを込めたタイムレスなアルバムを世界に届けたいんだ」と、GOGOL BORDELLOのフロントマン、Eugene Hutzはニューアルバム『SOLIDARITINE』について断言する。彼らの8枚目のアルバムは、逆境に直面したときのサヴァイヴァルにインスパイアされており、このテーマは、Hutz母国ウクライナで起こっている戦争と同じように、パンデミックに適用するこもできる。『SOLIDARITINE』はよりハードコアに傾倒し、緊迫感とフレッシュなエネルギーがバンドを初期の状態に戻し、アジプロの傾向を前面に押し出している。ニューヨークのアンダーグラウンド・アイコンであるWalter Schreifels(Gorilla Biscuits、Rival Schools、Quicksand)をプロデューサーに迎え、バンドはアルバムを完成させた。「このアルバムは、善意の人たちを結びつけるためのものだ。ウクライナの現状を無視した作品を発表することは、いけ好かないことだ」とHutzは語る。
Gogol Bordelloは1999年、ウクライナ出身のEugene Hutz(Vocals/Guitar)を中心にニューヨークで結成。ヴァイオリンやアコーディオンを使った彼らが鳴らすサウンドは、ジプシー・パンクと呼ばれる。そのライヴにも定評があり、コーチェラ、ロラパルーザ、ボナルー、ロスキル、ロック・アム・リング、グラストンベリー、レディング/リーズ、フジロック、サマーソニック等、数々のフェスティヴァルにも出演。「最もフェスに相応しいバンド」と評されている。1999年、デビュー・アルバム『Voi-La Intruder』をRubricよりリリース。2002年のセカンド・アルバム『Multi Kontra Culti vs. Irony』を経て、Side One Dummyへ移籍。2005年にはSteve Albiniの手によるサード・アルバム『Gypsy Punks: Underdog World Strike』、2007年にはVictor Van Vugtのプロデュースによる4枚目のアルバム『Super Taranta!』(2007年)をリリース。その後、American RecordingsよりRick Rubinのプロデュースによる5枚目のアルバム『Trans-Continental Hustle』(2010年)、ATOよりAndrew Schepsのプロデュースによる6枚目のアルバム『Pura Vida Conspiracy』(2013年)、目下の新作となる7枚目のアルバム『Seekers And Finders』(2017年)をリリースしている。バンドは2007年のライヴ・アースのロンドン公演でトリをつとめたMadonnaと共演。また、Eugene Hutzは、2008年に公開されたMadonnaの初監督映画『ワンダーラスト』で主人公に抜擢されている。
プロデュース:ウォルター・シュライフェルズ(ゴリラ・ビスケッツ、ライヴァル・スクールズ、クイックサンド)
発売・販売元 提供資料(2022/10/24)
マドンナもお気に入りだというジプシー・パンク・バンド、8枚目のアルバムは昨今の世界情勢にインスパイアされた一枚に。彼ららしいジャンルレスなパンク・サウンドを奏でつつ、NY アンダーグラウンド・シーンのアイコン、ウォルター・シュライフェルスをプロデューサーに迎えたこともあって、よりハードコア色が強まっている。エネルギッシュで初期衝動に溢れており、否が応でも彼らのパワーが聴き手に伝わりますね。
bounce (C)赤瀧洋二
タワーレコード(vol.467(2022年10月25日発行号)掲載)