現代最強のアンサンブル集団、スナーキー・パピーの最新作は彼らのルーツであるダラスで育んだブラック・ミュージックの影響にリスペクトした2枚組スタジオ・ライヴ。故バーナード・ライト最後の録音も収録。 (C)RS
JMD(2022/07/20)
現代最強のアンサンブル集団、スナーキー・パピーの最新作は彼らのルーツであるダラスで育んだブラック・ミュージックの影響にリスペクトした2枚組スタジオ・ライヴ。故バーナード・ライト最後の録音も収録。
これまで13枚のアルバムを発表し、4度のグラミー賞ウィナーであるスナーキー・パピーが、『Live at the Royal Albert Hall』以来2年ぶりの新作アルバムを遂にリリース。本作は2022年3月に彼らのルーツであるダラスで約50人のオーディエンスの前で録音した16曲入りのLive-in Studioアルバム2枚組。同地で育んだR&B/ゴスペル/ファンク他の影響にリスペクトした内容。
本作ではメンバー19人中12人が作曲を担当。マイケル・リーグが、自分たちが共通の基盤としている街、特にブラック・ミュージックの歴史に敬意を表して作曲するようメンバーに依頼。「この数年で私達のサウンドスケープは劇的に変化した」というようにジャズ/ワールド・ミュージック志向から、よりグルーヴィー&エモーショナルなテイストに回帰している。また、マイケル・リーグを始めとしたメンバーのメンター的存在で、5月に惜しくも亡くなったバーナード・ライトの最後の録音も収録されている。
ヤーブロウ&ザ・ピープルズからインスピレーションを得た冒頭「Keep It On Your Mind」から、エリカ・バドゥの音楽監督RCウィリアムスに捧げられた「Bet」、クリフォード・ブラウンとロイ・ハーグローブへのオマージュ「Cliroy」、ボビー・スパークス2019年ソロ作に収録され、今回フィーチリングとして故バーナード・ライトが最高のProphetソロを演奏した「Take It!」、ブルース&シャッフルが交差する「RLs」、P-Funk系の「Mean Green」、80年代NYクイーンズへのオマージュ「Free Fall」、ハウスとニュージャックスウィングをベースにした「Pineapple」、さらにウルグアイのカンドンベの要素を取り入れた「Portal」、ガダルカナル島の民族音楽からヒントを得た「Honiara」もダラス化したサウンドに仕立てている。
本作はDolby Atmosでミキシングされ、フィジカル・アルバムCDは日本先行発売、デジタル・アルバムは9/30ワールドワイドでリリース。
発売・販売元 提供資料(2022/07/19)
4度のグラミー賞にかがやく最高のライヴバンド、スナーキー・パピーの待望のニューアルバム。本作は彼らのルーツであるテキサス州で50人の観客を前にしたスタジオ・ライヴ録音。アルバムは2枚組、収録曲はボーナス曲を含み17曲。メンバーの19人中12人が作曲に参加するという力の入った内容になっている。また、惜しくも今年5月にこの世を去ったキーボード奏者のバーナード・ライトの最後の録音《Take it》も収録されているが、恐ろしく出来の良いファンクミュージックで痺れる。全編を通してブラックミュージックへのリスペクトを感じることのできる内容になっている。
intoxicate (C)荻原慎介
タワーレコード(vol.159(2022年8月20日発行号)掲載)