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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2007年09月14日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 岩波書店 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | 文庫 |
| SKU | 9784006021283 |
| ページ数 | 320 |
| 判型 | 文庫 |
構成数 : 1枚
長い熟成期間を経てまとめあげられたエンデ晩年の傑作短篇小説集。精神世界の深みにおもりをおろし、そこに広がる様々な現実を色とりどりの花束に編み上げた、エンデ文学の到達点を示す力作。ドイツ・ロマン派的伝統を背景に、手紙・手記・パロディ・伝記など多彩な手法を駆使して、ファンタジーの世界が繰り広げられる。
■内容紹介
『モモ』『はてしない物語』など児童文学の名作で知られるミヒャエル・エンデ。本書は、そのエンデが、晩年に編んだ大人のための短編小説集です。手紙・手記・パロディなど、さまざまな形をとってはいますが、共通しているのは、人間にとっての精神世界の重要性を強調している、という点ではないかと思います。そのあたりを、訳者の田村都志夫さんは「現代文庫版訳者あとがき」に次のように書かれています。
精神世界とは、エンデにとり、言葉の故郷であり、意味や意義、さらに質の故郷であった。そのような故郷を失った者には、心にふれるものがなにもない、虚無の闇が残されるだけであることを「遠い旅路の目的地」は淡々とした筆致で描いている。言葉の消滅、意味の消滅は、言うまでもなく『はてしない物語』の隠れた中心テーマである。
しかし、どの人間にも故郷はある。そこから離れる距離が大きくなればなるほど、郷愁は高まっていく。郷愁は故郷の在り処を告げているのだ。そして、そのような故郷は物語や絵の世界とつながり、同時にそのままこの現世ともつながっている、とエンデは言いたいのだろう。
「道しるべの伝説」も精神世界から流離した者の話である。主人公(*ヒエロニムス)は精神世界の痕跡をこの世に「奇跡」として探そうとする。その努力が徒労に終わったとき、ヒエロニムスも虚無の闇に落ちるのだった。そして、シリル(*「遠い旅路の目的地」の主人公)と同じく、ヒエロニムスも「故郷」である精神世界にかぎりない郷愁をいだいている。
そのヒエロニムスが人生最期に到達したイメージとは「道しるべ」だった。現世における人の存在とは、かなたにある精神世界への道しるべだというのだ。そのために人は流離して「異郷の地」にある、という静かな認識はエンデ自身のものだったのだろう。
精神世界、心の世界からわれわれ現代人がますます遠ざかっている事実に、エンデは強い危機感を抱いていた。それは心がふれる意義や質というものが消えてゆくことを意味する。そして、人と人とのつながり、人と自然とのつながりが途絶えること、感動や共感、そして慈悲の心がうすらぐことも、エンデの目には同じ事情による現象であった。
(「現代文庫版訳者あとがき」より、*:筆者注)
忙しい日常の中でふと立ち止まって、私たちがこの世に生きている意味、自分にとって本当に大切なものは何か、などを考えたい……そんなときにお勧めの一冊です。

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