DYGL(デイグロー)が2021年7月にリリースした3rdフルアルバム『A Daze In A Haze』が待望のアナログ化!!先行きの見えない時代のムードさえもポップスやロックが持つメロディの強さで色鮮やかに表現した作品。 (C)RS
JMD(2022/06/17)
DYGL(デイグロー)が2021年7月にリリースした3rdフルアルバム『A Daze In A Haze』が待望のアナログ化!!
先行きの見えない時代のムードさえもポップスやロックが持つメロディの強さで色鮮やかに表現した作品。
『A Daze In A Haze』(この朦朧とした 霞の中に)と名付けられた本作は、どの収録曲も共通したムードを備えながら、音楽性やテンションのバラエティに富んだ内容となった。
ダイハツ・タントカスタムのCM楽曲としても起用され、先行配信にてスマッシュヒットを記録した「Sink」では、やさしく語りかけるような曲調とともに、一度聴いたら忘れられない普遍的なメロディを獲得。トラップ、ポップパンクそしてクラブミュージックなど幅広いジャンルを参照しながらロックを現代的な解釈でアップデートさせたキラーチューン「Half of Me」。人が成長するために、それまで執着してきたものを手放さないといけない瞬間があり、そのことへの未練や葛藤を吹き飛ばすようなサウンドになっている。楽しい音楽を求めジャンルにこだわらず様々なアイデアを自然にロックバンドとして形にした彼らは、「ロックが"つまんない"と言われる時代がどれだけ続いても、こんなに面白い音楽は絶対に何かしらの形で続いていく」と力強く語る。
感傷的な気分に寄り添うやさしさと、鬱憤を晴らすエネルギーを兼ね備えた、2021年(当時)の理想的なロック・アルバムがここに完成。アルバムの世界観を拡張するシャツ・アートワークなどのトータルプロデュースはTohjiのLIVEポスターやadidas x atmos pinkのコラボ企画のディレクションなど多方面で活躍するドイツ・ベルリン在住のアーティスト Masako Hiranoが担当した。
発売・販売元 提供資料(2022/06/03)
とっさに思い出したのは、標識の向こうに真っ青な空が広がるファンテインズ・オブ・ウェイン『Utopia Parkway』のあのジャケット。ロックンロール・リヴァイヴァル期のガレージ・ロックに始まり、USやUK での録音を重ねながらその時々の自身の興味に忠実な音を鳴らしてきた4人が新作で目を向けたのは、90年代~2000年代初頭のオルタナやポップ・パンク、パワー・ポップ。ウィーザーやペイヴメントらを想起させるリフやサウンド・プロダクションにトラップやテクノ風のビートを忍ばせていたりと、ド直球の時代性×時流を備えたアップデート感覚もこのバンドらしい本作の美点だが、それ以上に素晴らしいのは、屈託のない抜けの良さで聴き手の心を満たしてくれるその空気感。無期限の愛聴盤になりそう。
bounce (C)土田真弓
タワーレコード(vol.451(2021年6月25日発行号)掲載)