現代最高峰のジャズ・ドラマーの一人、アントニオ・サンチェス。彼自らが"かつてない実験的なプロジェクト"と語る2017年発表の『BAD HOMBRE』の続編登場!パット・メセニーにデイヴ・マシューズ、ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロス、さらにミシェル・ンデゲオチェロ、ロドリゴ・イ・ガブリエラ、ベッカ・スティーヴンスなど世界中から集まったミュージシャンたちとのコラボレーションをフィーチャーした大胆で魅惑的、多彩な音楽的冒険である壮大な傑作『SHIFT(BAD HOMBRE II)』遂に誕生!
現代最高峰のジャズ・ドラマーの一人、アントニオ・サンチェス。メキシコ出身、現在はニューヨーク・シティを拠点に活躍する彼は、ゲイリー・バートン、チック・コリア、マイケル・ブレッカーやチャーリー・ヘイデンなどの巨匠から起用され、またパット・メセニー・グループの一員として2002年以来、アルバムやツアーでパット・メセニーと活動を共にしている。また2014年には、アカデミー賞受賞作アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督最新映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のサウンドトラック・スコアを手掛けたことも話題を集めた。
そのサンチェス自らが“かつてない実験的なプロジェクト"と語るのが、2017年にリリースしたソロ。アルバム『BAD HOMBRE』である。グラミー賞にもノミネートされたそのアルバムは、彼自身が全てを手掛けた、ドラムソロにエレクトロなモチーフやヴォイスを重ね合わせて多重録音したアグレッシブな作品だ。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2022/05/27)
その『BAD HOMBRE』の続編となる作品が完成した。『SHIFT(BAD HOMBRE II)』と名付けられた本作は、彼にとってワーナーミュージック・ジャーマニーからリリースされる初のソロ作品であり、『BAD HOMBRE』の実験性をさらに推し進めたアルバムとなった。アルバムを制作するにあたり、サンチェスは昔馴染みの友人を含む、様々なミュージシャンやシンガー・ソングライターにアプローチを掛けた。彼の元に集まったのは、パット・メセニーにデイヴ・マシューズ、そして最近映画音楽での活躍が目立つナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロス、さらにミシェル・ンデゲオチェロ、ロドリゴ・イ・ガブリエラ、ベッカ・スティーヴンスにキンブラ、そしてリラ・ダウンズ、シルヴァーナ・エストラーダらメキシコのアーティストたちに、ポルトガルのMARO、さらに東欧からタナ・アレクサにSONICAなど。国もジャンルもキャリアもそれぞれ異なったアーティストたちの楽曲を時に分解・再構成しながら、またともに楽曲を作り上げながら、彼は新たな音楽領域を切り拓いている。パンデミックによって思いもよらなかった自由な時間を手にすることによって、それぞれのアーティストとのコラボレーションはリモートではあったが、比較的容易にアレンジすることが出来ただけでなく、同時に自身の音楽的アイディアをより深く探求することも可能にした。結果、本作におけるマルチ・インストゥルメンタリスト、そしてプロデューサーとしてのサンチェスの役割は前作よりも拡大しているという。
前作『BAD HOMBRE』の制作時期がちょうと2016年秋のアメリカ大統領選と重なっており、トランプ前大統領が打ち出していた移民政策やメキシコ国境に壁を作るなどの政策に怒りとフラストレーションを抱えていたサンチェスだったが、時がたつとともに、彼の怒りは変容し、クリエイティヴな壁を打ち破り新しい音楽的領域を征服することにシフトしていったという。その『BAD HOMBRE』から約5年――世界の状況も大きく変化した。その中でサンチェスは世界中から集まったミュージシャンたちの声と視点をひとつにした、魅惑的で多彩な音楽的冒険を完成させた。数年前からずっと彼が自身の中で孕み、温めてきた壮大な傑作『SHIFT(BAD HOMBRE II)』がようやくその産声を上げるのだ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2022/05/27)
パット・メセニー・グループの演奏ではその凄まじいテクニックに世界中の音楽ファンが驚愕、さらにドラム演奏のみで手掛けたアカデミー賞作品賞の映画『バードマン~』の音楽で更なる高みへと昇り詰めた現代最高峰のドラマー、アントニオ・サンチェス。久々の登場となるリーダー・アルバムは2017年作『バッドオンブレ』の続編であり、多国籍で豪華なゲストがズラリと参加。サンチェスの溢れる創造力を注ぎ込んだ刺激的な音実験が繰り広げられています。映画ファンにも聴き逃せない、トレント・レズナー&アッティカス・ロスというコンビとのコラボレーションも強烈。
intoxicate (C)谷本真悟
タワーレコード(vol.159(2022年8月20日発行号)掲載)