様々な噂や憶測が飛び交っていたデンジャー・マウスとブラック・ソートとの新たなHIPHOPコラボレーション・プロジェクトが遂にそのヴェールを剥ぐ!エイサップ・ロッキー、ラン・ザ・ジュエルズ、マイケル・キワヌカ、レイクウォン、ジョーイ・バッドアス、ラス、コンウェイ・ザ・マシーン, 故エムエフ・ドゥームなど多数の豪華ゲストを迎えて制作された、二人ならではのユニークで芸術的な音楽的世界がここに実現!
様々な噂や憶測が飛び交っていたデンジャー・マウスの新たなコラボレーション・プロジェクトが遂にそのヴェールを剥いだ。これまでナールズ・バークレイ、ブロークン・ベルズ、カレン・O&デンジャー・マウスなどのコラボレーション・プロジェクトで作品を発表してきた現代ミュージック・シーンで最も多才なプロデューサーの一人、デンジャー・マウスことブライアン・バートンが次に挑むのは、MC、映画・舞台俳優、プロデューサー、作家、そしてザ・ルーツの共同創設者でもあるブラック・ソートことタリク・トロッターとのヒップホップ・プロジェクトだ。
2005年に初めて出会い、何曲か一緒に制作したことがあるという二人だが、その後、それぞれにキャリアを積み重ねていく。デンジャー・マウスは自身のコラボレーション・プロジェクトの他、ゴリラズ、エイサップ・ロッキー、アデル、ベック、マイケル・キワヌカ、ザ・ブラック・キーズ、U2など、大ヒット・アーティストのプロデュースを手掛け、一方のブラック・ソートもザ・ルーツとしは米人気トーク番組「レイト・ナイト」、そして後に「ザ・トゥナイト・ショー」のハウス・バンドを務め、タリクは自身のプロジェクト『Streams of Thought』をリリース。また、オフ・ブロードウェイのミュージカル「Black No More」の脚本、作曲、主演を務めた。エミネム、ジョン・レジェンド、プシャ・T、グリゼルダ(ウェストサイド・ガン、ベニー・ザ・ブッチャー)等とコラボレートし、クエストラヴとテレビ番組を共同プロデュースした。それぞれに成功を収めている二人だったが、それでも一緒に作品を作りたいという気持ちは変わらなかったという。
デンジャー・マウスことブライアン・バートンは自分のルーツに立ち返り、ヒップホップのアルバムを作りたいと直感的に感じ、タリクこそが、彼が思い描く豊かなサウンド、ムード、テクスチャーに適応できるリリシズムを持ったラッパーであることを知っていた。ブライアンの音楽が持つ感情的なサウンドには、タリクにしかできない強烈なリリックとマッチする必要があったからだ。一方ブラック・ソートことタリク・トロッターは、自分のバンドの枠や構造の外で、音楽的に自分を表現できる場所を必要としていた。そしてブライアンはタリクにとって初めて「構造」という概念を超越する存在だった。タリクはブライアンの音楽を聴くと、リリックが自然と流れてくることに気づき、解放された気分になったと説明する。そうして今回のプロジェクト、デンジャー・マウス&ブラック・ソートが実現したのだった。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2022/05/20)
デンジャー・マウス&ブラック・ソートによるアルバム『CHEAT CODES』には、これまで多彩なアーティストたちとコラボレーションを行ってきた二人らしく、エイサップ・ロッキー、ラン・ザ・ジュエルズ、マイケル・キワヌカ、レイクウォン、ジョーイ・バッドアス、ラス、コンウェイ・ザ・マシーン, 故エムエフ・ドゥームなど多数の豪華ゲストが参加している。アルバムが開するサウンド、ムード、そして豪華ゲスト陣からは一見複雑そうに思えるが、実際聴いてみると、非常にシンプルなアルバムであることがわかるだろう。ブライアンとタリクの自然なケミストリーが発揮されており、このアルバムはジャンルや時代、トレンドに縛られない、カテゴライズされない、タイムレスなアルバムに仕上がっている。
デンジャー・マウスは二人が初めて出会った時よりも、ずっと熟練したソングライターとなり、プロデューサーに成長しており、ブラック・ソートが比類ないスキル、そして、幅広い音世界を展開できるのは、彼の豊富な経験によって磨かれたからにほかならない。パンデミックの影響もあり、孤立した状況でレコーディングされた『CHEAT CODES』には、そんな二人の長年の経験がより強力に反映された作品となった。本作は音楽の芸術的ビジョンに焦点を当てるだけでなく、2人の間の創造性と友情の絆をさらに強化し、深め、1つのユニークな音楽的世界を創り上げているのだ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2022/05/20)
MFドゥームと組んだデンジャー・ドゥーム名義の『The Mouse And The Mask』を2005年に出して以来となるデンジャー・マウスのヒップホップ・アルバムは、まさにその2005年に出会って構想されていたというブラック・ソート(ザ・ルーツ)とのタッグ作品に。これがまたド直球にも程があるブーミンな仕上がりで、切断面の粗い無骨なビートが抑制の効いたマイク捌きとガッシリ組み合ったタイトなコンビネーションには何物にも変え難い魅力がある。グウェン・マクレー"Love Without Sex"ネタが仰々しく響く"Sometimes"、レイクォン&キッド・シスターを迎えた"The Darkest Part"、エボニー・リズム・バンド使いのタイトル曲など、余計な色気もなく好き勝手に響くサウンドが単純に最高だ。
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.465(2022年8月25日発行号)掲載)