佐藤允彦、八木正生、鈴木宏昌、大野雄二、羽田健太郎、市川秀男、大原繁仁、藤井貞泰。日本を代表する8人の鍵盤奏者が操る20台のシンセサイザー。
世界的に見ても傑出したキーボード・オーケストラ・ミュージックにして、そのグルーヴの閃きと煌めきで和ジャズ~レア・グルーヴ~ヒップ・ホップと幅広い層を虜にしてきたアルバム『エレクトロ・キーボード・オーケストラ』。心臓を貫くドープなビートに多種多様なキーボードが絡みつく「The Heated Point」、最強のヴァージョンとの呼び声も高い、米刑事ドラマ『鬼警部アイアンサイド』のテーマ曲「The Iron Side」、地を這う重厚なグルーヴに悶絶必死のカルロス・ガーネット作「Mother Of The Future」など、全曲がアウトスタンディング!
発売・販売元 提供資料(2022/04/28)
日本で6~70年代に録音された、所謂「和ジャズ」が国内のディガーではなく海外からの旅行客に求められるようになったここ数年。特に福居良の『シーナリー』と山本剛の『ミスティ』の人気が高かったりで、まぁ、この時代の音に愛着を持つものとしては素直に嬉しい。その『シーナリー』を含む再発シリーズ「NIPPON JAZZ SPIRITS 和ジャズ傑作選」の中で一際特異な魅力を放つのが本作品。大野雄二、佐藤允彦、鈴木宏昌など超豪華8人の名鍵盤奏者がアナログシンセで織りなす宇宙交響曲集はハービーも真っ青のグルーヴから、独特の音響空間とムードは「和レアリック」文脈でもイケる。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.144(2020年2月20日発行号)掲載)
ジャケットに写るピチピチのセーターに襟のデカいシャツ、色付きメガネのオジサンたち……シュワシュワピコピコモワモワなシンセサイザー満載で、なんなんだ、この〈時代〉を感じさせる音は!! しかも8人のプレイヤーでキーボードが20台も必要か!? でも、カッコ良くて極ウマ!!と思っていたら大野雄二、佐藤允彦、羽田健太郎、ポンタ……と、大御所たちによる75年作でした。きっと『Bitches Blew』とばかりに燃えてたのね。隠れた名盤!
bounce (C)西田 陽子
タワーレコード(2003年07月号掲載 (P99))