元TANGERINE DREAM/ASH RA TEMPELにしてソロ独立後はエレクトロニクスを駆使し一貫した独自の美意識と構築的音響空間を創出、先日4月に逝去したジャーマン・エレクトロ・ミュージックの巨匠:Klaus Schulzeの遺作となった'22年作がリリース。
本作が制作された経緯として、Schulzeの代表作との評価も多い'79年作『DUNE』のモチーフともなった、アメリカ出身のSF作家Frank Herbertによる同名SF小説が、'84年版に続いてDenis Villeneuve監督によって2度目の映画化が決定した(2部作の1作目となる作品が『DUNE/デューン 砂の惑星』として'21年に公開済)との報をSchulzeが聞き、改めて原典となる小説と'84年版の映画を見返した事が始まり。その後創作活動を開始させるも当初『DUNE』の事は念頭に無かったとの事ですが、'21年版映画の音楽を手掛けたHans Zimmerより映画への参加の知らせを受け制作に一部協力(映画にはZimmerとSchulzeの合作による楽曲'Grains of Sand'が使用された)、その結果として『DUNE』を強く意識した作品となったとの事です。Wolfgang Tiepoldによって残されたチェロの演奏を使用し分厚いシンセサイザーの壁と絡ませた、'79年の『DUNE』を踏襲した様なパートから、近年作の特徴であったスクエアなシーケンスと深遠なエレクトロニクスを駆使したパートまで、シンプルながら極限までに研ぎ澄まされた壮大なエレクトロ・サウンドには改めて感服させられる作品です。

発売・販売元 提供資料 （2022/06/21）