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問いかける短篇 翻案・童話・寓話 近代文学研究叢刊 72

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構成数 : 1

はじめに
I 錯誤と死角
第一章 光源としての錯誤 ― 夏目漱石『夢十夜』―
一 錯誤の推移
二 悟りと短刀 ―「第二夜」―
三 明治の運慶 ―「第六夜」―
四 過渡期の人間像
第二章 船上と白洲 ― 森鴎外「高瀬舟」―
第三章 誤算の闇 ― 菊池寛「藤十郎の恋」―
II 〈型〉からの逸脱
第四章 芥川龍之介童話の因果 ―「蜘蛛の糸」から「魔術」へ―
第五章 小川未明「赤い蝋燭と人魚」とその周辺
はじめに
一 〈童心〉の逆説性と童話という手法 ―「幾年も経つた後」―
二 「赤い蝋燭と人魚」を読む
三 作品論の可能性
1 繰り返しの悲劇 ―「砂漠の町とサフラン酒」「蝶と三つの石」―
2 移動・交換から生じる価値 ―「千代紙の春」「椎の実」―
3 いつ、何によって気づくか ―「小さい針の音」「黒い人と赤い橇」―
4 〈見える〉ことをめぐって ― 「二度と通らない旅人」「月夜と眼鏡」「港に着いた黒んぼ」―
5 眠りと時間の流れ方 ―「眠い町」「百姓の夢」「ある夜の星だちの話」―
6 加害者の不在 ―「負傷した線路と月」「魚と人」―
おわりに
III 反復と変質
第六章 異形の兄姉・饒舌な弟妹
一 レンズ越しの恋 ― 江戸川乱歩「押絵と旅する男」―
二 語りの罠 ― 岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」―
第七章 戦後短篇管見
一 連鎖する変形 ― 安部公房「手」―
二 模倣の罠 ― 石川淳「灰色のマント」―
三 繰り返しへの予感 ― 吉行淳之介「童謡」―
第八章 三島由紀夫自選短編集『真夏の死』の諸相
はじめに
一 反転する因果 ―「サーカス」―
二 背負われる戦後 ―「翼」「離宮の松」―
三 〈三人目〉という物語 ―「クロスワード・パズル」「花火」―
四 問えない理由 ―「雨のなかの噴水」―
おわりに
IV 連作のメタフィクション
第九章 森見登美彦『新釈 走れメロス 他四篇』論
はじめに
一 天狗になる男 ―「山月記」―
二 虹と映画 ―「藪の中」―
三 パンツ・ブリ―フ・バスタオル ―「走れメロス」―
四 消失する男女 ―「桜の森の満開の下」―
五 見えない作り手 ―「百物語」―
おわりに

初出一覧
あとがき
索 引

  1. 1.[書籍]

漱石・鴎外・芥川・未明から三島などの戦後作家、さらに森見登美彦といった直近の現代作家まで、短篇の緻密な構築性を解明する。

作品はその中に一切を内包し、言葉同士が緊密に結びつき合って完結している――この素朴な信頼のもと、私達はもっと個々の小説の細部に分け入り、表現そのものを起点として考えをめぐらせてもよいのではないか。その際、物語の未解決性や変則的な因果の構図といった謎は、むしろ新たな読みを誘い出し深めていく契機となる。とりわけこうした謎の表れやすいのが、翻案・童話・寓話といった方法による短篇だろう。

視点人物の錯誤や死角・物語の矛盾や構成上の断絶・童話的因果応報のような定型からの逸脱・反復の中の変質に着目し、あるいは原拠や周辺言説との比較検討を通し、漱石・鴎外・芥川・未明から三島などの戦後作家、さらに森見登美彦といった直近の現代作家まで、各短篇の緻密な構築性を解明する。作品論的研究は今なお進行中である。

作品の情報

メイン
著者: 木村小夜

フォーマット 書籍
発売日 2022年04月
国内/輸入 国内
出版社和泉書院
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784757610255
ページ数 354
判型 A5

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