2020年に惜しくもこの世を去ったアフロビートの創始者、トニー・アレンが2009年に発表したワールド・サーキットからの第1弾アルバム『SECRET AGENT』が最新リマスター音源の2枚組アナログで蘇る!
2020年に惜しくもこの世を去ったアフロビートの創始者、トニー・アレン。フェラ・クティの右腕として長年活躍し、またアフリカで最も偉大なドラマーの一人として大きな影響を与えてきた彼が2009年にワールド・サーキット・レーベルからの第1弾作品としてリリースしたのがアルバム『SECRET AGENT』である。
1960年代半ばからフェラ・クティと活動を共にし、1970年代からは自身のソロ/リーダー作を発表するようになったトニー・アレン。ハードなリフを奏でるホーン、テノール・ギターの唸り、ファンク風のサックスとトランペットにキーボード、深みのあるソウルフルなヴォーカルのコール・アンド・レスポンス、そしてトニー・アレンの雄大なドラミング――アフロビートの要素がすべて詰まっていると呼べる本作『SECRET AGENT』。そこには、アフロビートをそのルーツから蘇らせようとしながら、モダニズムな視点を取り入れ、ヨルバ文化とブルーノート風のジャズ・アレンジ、さらにエレクトロな要素を融合しようとするトニー・アレンの姿を垣間見ることが出来る。
2000年代に入り、ブラーのデーモン・アルバーンやクラッシュのポール・シムノンとともにザ・グッド,ザ・バッド・アンド・ザ・クイーンとして活動したり、デーモン・アルバーンとフリーとのロケットジュース・アンド・ザ・ムーン、さらにシャーロット・ゲーンズブルやジェフ・ミルズらとのコラボレーションも積極的に行ってきたトニー・アレンの無限大の音楽性とアフロ・ファンクの真髄が詰まった1枚が、2022年の最新リマスター音源の2枚組アナログで蘇った。
発売・販売元 提供資料(2022/04/22)
It's no surprise that Tony Allen's new album does nothing to dim his reputation as one of the world's greatest drummers. He's the personification of subtlety, leading from the back and carefully pushing and prodding the music, but doing this so cleverly that half the time people don't even notice he's there. He's certainly a man whose four limbs operate independently, setting up cross- and counter-rhythms that add extra levels of texture and complexity to the music. On Secret Agent, recorded in his native Lagos, he's joined by a number of guests (including five different vocalists), but the core musicians working with him are producer Fixi, who contributes several instruments, and Cameroonian guitarist Claude Dibongue, who works well in this framework. It's largely Afrocentric, and definitely political, in the best tradition of Allen's late employer, Fela Kuti. Allen himself contributes vocals to the opening and closing tracks, showing he's more than a drummer, even if his voice is low-key. That he plays so well is remarkable. That he does it like this when he's almost 70 is amazing. ~ Chris Nickson
Rovi
デーモン・アルバーンとのユニットやクラブ・ミュージックへの接近など、ここ数年は外に開けた活動で話題になることの多かったトニー・アレンですが、ワールド・サーキットに拠点を移し、セルフ・プロデュースで作られたニュー・アルバムは、オーセンティックなアフロビート作品に。とにかく楽曲の格好良さが近作のなかでもズバ抜けていて大興奮! 緩急自在の渋いドラミングを堪能できる一枚で、そのスキルに脱帽です!
bounce (C)西尾洋儀
タワーレコード(vol.310(2009年05月25日発行号)掲載)