ミューズ 約4年ぶり9作目となる待望のニュー・アルバム『ウィル・オブ・ザ・ピープル』
1999年のデビュー以来、全作品のトータル・アルバム・セールス2,700万枚以上、グラミー賞2度受賞、そしてアルバム6作連続で全英チャート1位を記録するなど、世界のロック・シーンの先頭をひた走るミューズが、約4年ぶりとなる待望の9thアルバム『ウィル・オブ・ザ・ピープル』(Will Of The People)をリリースする。日本はソニーミュージックからのリリースで本作が移籍第1弾作品となる。
ミューズのフロントマン、マシュー・ベラミーはアルバムについて以下のように語る。
「『ウィル・オブ・ザ・ピープル』はロサンゼルスとロンドンでレコーディングされた作品で、世の中で高まる不確実性や不安定性に影響を受けている。パンデミック、ヨーロッパの新たな戦争、大規模な抗議活動や暴動、内乱未遂、欧米の民主主義の揺らぎ、権威主義の台頭、山火事や自然災害、そして世界秩序の不安定化。そういったこと全てが『ウィル・オブ・ザ・ピープル』の世界観を特徴づけている。今は西側の王国にいる僕たち全員にとって不安で恐ろしい時代だ。そして僕たちを長い間育んできてくれた自然界は正真正銘の脅威にさらされている。このアルバムはそれらの恐怖や、次にやってくるものへの準備をパーソナルな形で切り抜けていく作品なんだ」(1/2)
発売・販売元 提供資料(2022/03/18)
シングル「コンプライアンス」については、「この曲は権威主義的なルールに服従して、排他的な集団に受け容れられるために偽りの中に安住することを歌っているんだ。脆弱な時代には、ギャング、政府、虚偽情報、ソーシャル・メディアのアルゴリズム、宗教が僕たちを誘惑して、独断的な規則や歪んだアイディアを作って従わせる。そういった連中は気分が安らぐような神話を売りつけたり、真実を説明できるのは自分たちだけだと言ってきたりしながら、同時に僕たちの自由、自主性、そして独立的な考え方を抑えつける。僕たちは単に強制されるだけじゃなくて、やつらが選んだ部外者たちに対して日々憎悪を向けさせられ、僕たち自身の理性や思いやりといった心の声には目をつむるように、追い詰められ、怯えさせ、統制される」とマシュー・ベラミーは語っている。「コンプライアンス」は即効的な中毒性を持ち、滑らかなシンセサイザーの音や歪んだオルタナ・ポップの要素が施されている。「ただ、追従してほしいだけ / もう痛みを感じることはない / これ以上の抵抗はやめて / ただ追従しさえすればいい」と歌う間、潰したドラム・サウンドや断続するベース・ラインによって曲のパワーが膨らんでいく。この曲のミュージック・ビデオ(ジェレミ・デュラン監督によりポーランドで撮影)は映画『ルーパー』(2012年の米SF映画)にヒントを得たもので、マスクをした3人の子供たちが未来の自分たちを破壊することにより、ディストピアの抑圧的な世界から逃れようとする姿を追う。
『ウィル・オブ・ザ・ピープル』はミューズによるセルフ・プロデュース作品。主なコラボレーターは、8曲のミキシングを手がけ、複数のグラミー賞受賞歴を持つセルバン・ゲニア、「ウォント・スタンド・ダウン」のミキシングを担当したダン・ランカスター、「キル・オア・ビー・キルド」で追加のリミックスを行なったアレックス・フォン・コーフなど。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2022/03/18)
不穏なメタル・リフが光る"Kill Or Be Killed"が文句なしのかっこ良さ。また、"Won't Stand Down"における爆発力溢れるヘヴィネスにも痺れた。6作連続で全英1位を獲得している彼らの9枚目のアルバムは、ロックの本道に回帰した傑作だ。セルフ・プロデュース作という点も大きく、先述したラウドな質感を備えつつ、持ち前のオペラから近作のエレクトロまで包括した懐の深さ。決定打的な一枚と言っていい。
bounce (C)荒金良介
タワーレコード(vol.465(2022年8月25日発行号)掲載)