D.A.N.の3rdアルバム『NO MOON』が12インチ2枚組仕様で待望のアナログ化!
2014年のデビュー以来、次世代シーンの中でも無二の存在として大きな期待を背負うD.A.N.。2021年10月にリリースされた3rdアルバム『NO MOON』のアナログ・リリースが決定。
バンドサウンドに拘り続ける中で、EPや2ndアルバムで果敢にチャレンジし常に海外を見てきた3人の新しい挑戦となる本作は、初となるコラボ楽曲も交え、独自のコンセプトであるミニマル・メロウから、テクノ、ハウス~ヒップホップまでを昇華させネクスト・フェーズへ突入した超大作。1stアルバム以来となるUtena Kobayashiがボーカル、スティールパンで更なる彩りを加えている。川上の躍動するドラマチックなドラム、ベース市川のダイナミックな世界を無限に拡げる随所に冴え渡るエレキ・チェロ、そして独自の哲学でマインド・トリップするリリックと、これまで以上に自由に舞い、縦横無尽に歌い演じた櫻木のボーカルは圧巻。インストゥルメンタルも挟んだ全12トラックは、ディストピア且つどこまでも美しい情景を浮かばせるSFムービーともいえる一遍の作品となっている。
2020年から猛威を振るうパンデミックにより地球規模で大きく変わろうとしているこの時代と向き合い、制作に約一年を要して一曲毎に掛けた計り知れない熱量と、高度なミキシングによる繊細な音の粒子によるレイヤーによってリスナーを深くまで引き込み、表と裏、光と闇、バーチャルとリアル…そんな錯綜した「今」と重なる混沌とした世界へ迷い込んだサウンドスケープを展開。日本が世界に誇るバンドを証明する、現在の日本の音楽シーンを揺さぶるであろう問題作となる一枚。
また本アナログ盤は、UK・Metropolis StudioのエンジニアMatt Coltonによるハーフ・スピード・カッティングを採用したリマスター盤として、より繊細な高音質化を実現している。
発売・販売元 提供資料(2022/03/04)
約3年ぶりとなるフル・アルバム。バンド・アンサンブルを研ぎ澄ましてメロウネスを際立たせた前作『Sonatine』の成果を礎にして、この3作目ではエレクトロニクスやポスト・プロダクションを援用しながらクラブ・ミュージックの骨格や質感を旺盛に採り込み、血肉とすることに成功している。アブストラクトな導入から跳ねたビートとベースが立ち現れる"Anthem"、トライバルなボトムスと小林うてなの幽玄な歌が交錯する"Floating in Space"……クールかつ野太いグルーヴと細密に編まれたサイケデリックなサウンドスケープの応酬が凄い。そのディープな音像に溶け込んだヴォーカルが、それでも歌ならではの情緒と言葉とを楽曲にしっかり刻み込んでいるところに彼らの最大の個性が見い出せるかもしれない。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.455(2021年10月25日発行号)掲載)