ECMにも作品を残すルーマニア出身の鬼才ピアニスト、ルシアン・バン、ソロ・ピアノで拓くサニーサイドレーベルからの新作!
ルーマニアからニューヨークへ――――。コスモポリタン的活動を続けるピアニスト/作曲家、ルシアン・バンがソロ・ピアノによる新作を発表。ヴィオラ奏者マット・マネリとのデュオを収めたECM盤『Transylvanian Concert』(2013年)、そこにエヴァン・パーカーを加えたトリオによるClean Feed盤『Sounding Tears』(2017年)もフリー・ジャズ・ファンの間で話題を集めましたが、初のソロ・ピアノ作となる当Sunnyside盤では、よりメロディアスでリリカルな面を表出。この一枚で、ルシアンは多くのファンを新たに獲得することでしょう。
1969年生まれのルシアンは、ルーマニア中部のトランシルバニアにある村で育ち、7歳からクラシック・ピアノと作曲活動を開始。92年からブカレスト国立音楽大学で作曲を学び、95年にグループ"ジャズ・ユニット"を結成。99年にはアメリカ・ニューヨークに移り、名門校ニュースクールに入学。バリー・アルトシュル(チック・コリア、ポール・ブレイらと共演)、ナシート・ウェイツ(フレッド・ハーシュ、ジェイソン・モランらと共演)、フェローン・アクラフ(ジェリ・アレン、山下洋輔らと共演)ら、数々の名ジャズ・ピアニストとのプレイを誇る面々とセッションを行ない、才能を知らしめました。
このアルバムは、サックス奏者エイブラハム・バートンとのデュオによる前作『Blacksalt - Live At The Baroque Hall』(SSC1609)同様、母国ルーマニアのトランシルバニアにある"バロック・ホール"での録音。共同プロデューサーには、前述『Transylvanian Concert』等で名コンビぶりを発揮したマット・マネリを起用。オリジナル・コンポジションから、アネット・ピーコック作のM4「Albert's Love Theme」、カーラ・ブレイ作のM11「Ida Lupino」などルシアンが敬愛してやまないミュージシャンの楽曲も取り上げられています。名器ベーゼンドルファーの豊かな音色とルシアンの美しいピアノ・タッチの融合が、優れた録音によって捉えられました。
「私が親しみを抱いているジャズ・ピアニストは、デューク・エリントン、セロニアス・モンク、ポール・ブレイ、キース・ジャレット、アンドリュー・ヒルたちだ。彼らはグループやソロでの演奏を通じて、ジャズ・ピアノの境界線を広げた挑戦者なんだ」。
ルシアン・バンが、彼らのラインに位置するひとりであることに疑いはありません。万華鏡のように広がるピアノ世界を、どうぞお楽しみください。
発売・販売元 提供資料(2023/08/31)