マクブライド、ジャズメイア、アーギュー、アキンムシーレ等が関与。破格のミンガス・トリビュート
2022年に生誕100周年を迎えるベース奏者/作曲家、チャールズ・ミンガス(1922~1979)への超豪華トリビュート・アルバムが完成!
クリスチャン・マクブライド、ジャズメイア・ホーン、ケニー・バロン、ニコラス・ペイトン等、錚々たるメンバー+弦楽四重奏が参加。しかもアレンジャーにはダーシー・ジェイムズ・アーギュー、アンブローズ・アキンムシーレ、ファビアン・アルマザン等が名を連ねています。
こうしたオールスター・ミュージシャンを、巧みなリーダーシップでまとめあげているのはクラリネット奏者のハリー・スコラー(1956年生まれ)。バークリー音楽院やニューイングランド音楽院で学び(ジミー・ジュフリーに師事)、プロ入り後はバークリーで教鞭をとりながら、レコーディングやツアーに多忙な日々を送る重鎮です。初めて聴いて感銘を受けたミンガスのアルバムは、1974年リリースの『Mingus Moves』。この新作では、そこからの「Moves」(M5)をはじめ、「Goodbye Pork Pie Hat」(M1)等の極めつけナンバー、晩年のミンガスを代表するバラード「Duke Ellington's Sound of Love」(M3)など、バラエティに富んだ楽曲の数々を選曲。ラストに収められている「Underdog」(M9)は、スコラーによるミンガスへの捧げものです。
それにしても、メジャー・レーベルでも難しいのではと思われる、これほどの豪華プロジェクトがなぜ実現したのでしょうか。その鍵を握る人物は、サックス奏者のウォルター・スミス3世です。スコラーは2018年、動脈破裂により死線をさまよい、うつ病も発症しましたが、才気あふれるスミスとの出会いによって再び音楽への意欲を取り戻し、ニュー・アルバムのプロデュースを依頼します。その結果が、この新作『Living In Sound』なのです。キャリアを重ねたスコラーのプレイと、次世代ミュージシャンの鋭敏なセンスが、ミンガス・ナンバーの中で見事に溶け合っています。
生前のミンガスはエリック・ドルフィーのバス・クラリネットを音作りに重用しましたが、通常のクラリネットで演奏されるミンガス・ナンバーも実に味わい深いものです。アナ・コーエン、ドン・バイロンと並んで現代ジャズ・クラリネット・シーンの中核に位置するハリー・スコラーの豊かな音色、卓越した曲解釈にじっくりと浸れる一枚といえましょう。
発売・販売元 提供資料(2023/08/31)