The Weeknd『Dawn FM』のエグゼクティブ・プロデューサーを務めた
盟友Oneohtrix Point Neverの関連作『MOPN』がスペシャル・プライス盤CDでリリース!!
ライヒ、イーノ、エイフェックス・ツインからバトンを受け継ぐ存在としてシーンに登場した現代の最重要プロデューサー、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)が2020年にリリースしたアルバム『Magic Oneohtrix Point Never』が数量限定スペシャル・プライス盤でリリース。
ザ・ウィークエンドの最新作『Dawn FM』においてエグゼクティブ・プロデューサーを務め、作品のコンセプト自体でも『Magic Oneohtrix Point Never』の関連性が明らかになっている。
OPNの名前の起源から着想を得て、本作は朝に始まり夜通し続いて終わるひとつのラジオ局を聴く体験を模したものになっている。朝の挨拶で始まり、中盤はポップ音楽の断片が挿入され、終わりにかけてよりディープな展開へと至る。だがそこにはOPNらしくエラーや異物感がふんだんに含まれており、アメリカの古いFMのジングルやDJの決め台詞のサンプルがニューエイジの自己啓発の文句とぶつかり、ダークなユーモア感覚を生み出している。
ニューエイジを脱構築したサンプル・コラージュの傑作『Replica』のような展開、〈Warp〉での初作にしてOPNの名前を広く知らしめた『R Plus Seven』における静謐な旋律、『Returnal』の強力なノイズ、『Garden Of Delete』や『Age Of』でのポップ・ミュージックへの意識的な接近、あるいは映画音楽の仕事を思わせる交響曲的な構築といったこれまでのOPNの音楽的要素を自在に行き来しながら、架空のラジオ局というコンセプトのもとそれらは奇妙に統合されている。
発売・販売元 提供資料(2022/01/17)
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのサウンドは常に変化しており、初期のノイズから前作『Age Of』のアヴァンギャルドなOPN流ポップ・サウンドまで、作品を重ねるごとに違った一面を見せてくれるのも魅力だろう。この新作は架空のラジオ局をコンセプトとし、アルバムを通じて彼のキャリアにおけるサウンド・デザインの変遷を回想する一本の番組のような作りとなっている。まさに集大成的なアルバムだ。
bounce (C)長谷川義和
タワーレコード(vol.443(2020年10月25日発行号)掲載)