世界的人気カウンターテナー、ヤクブ・オルリンスキによる、鮮烈な悲しみが走る「ヴィヴァルディ:スターバト・マーテル」の強烈な歌唱
ヴィヴァルディの「スターバト・マーテル」は、作曲の象徴的な傑作であり、サンタ・マリア・デッラ・ペース教会の教区から、聖母マリアを称える作品の作曲を委託されものです。1712年3月18日にこの教会で初演され、その後1920年代にトリノの国立図書館が入手した膨大なコレクションの中で再発見されるまで忘れられており、1712年以来初めてアルフレード・カゼッラの手によって復元されました。女性が歌うのを禁止したカトリックの典礼曲であるため、アルトのソロは男性歌手(カストラートかファルセット)によって歌われたものと考えられています。数多くの協奏曲を作曲したヴィヴァルディですが、協奏曲とは全く異なるようなメロディーや悲しみの楽想が魅力的で、聴く度に耳に満足感を与えてくれます。黒澤明監督の映画「八月の狂詩曲」でも、効果的に使用されていました。
今や世界的人気カウンターテナーとなったヤクブ・オルリンスキの、深めで感情豊かな声質はまさにこの曲に最もあったもので、歌唱表現を重視し、約20分の曲の中に感情で埋め尽くされています。
オルリンスキは以下のように語っています。「私は学生として、この曲をオーケストラと一緒に演奏することを夢見ていました。私は何年もの間、その構成の素晴らしい解釈をさまざま聞いてきました。ついに2013年8月8日、私はポーランド北部の教会で全曲を歌うことができてとても嬉しかったのを思いだします。このヴィヴァルディの作品は、人として、そして音楽家として、私に大きな影響を与えたのを、とても鮮明に覚えています。私のレパートリーにこの曲を取り入れ、そして今、この特別とも思える時期に自分で録音する機会が与えられたと感じました。私の解釈を示し、ヴィヴァルディの音楽とその与えられたテキストで私が見たり感じたりすることを共有するために」。
1970年に創設されたカペラ・クラコヴィエンシスは、ポーランドのピリオド楽器オーケストラ。そのレパートリーは、ルネサンスのポリフォニーからロマン派やオペラまで多岐に亘り、多くの重要な音楽祭やコンサート・ホールに迎えられています。2016年8月27日、クラクフでベートーヴェンの交響曲全曲演奏を1日で成し遂げ、ラジオでの生放送を実現させ大きな話題となりました。最近ではDeccaよりポルポラの歌劇『ドイツのジェルマニコ』、ペルゴレージの歌劇『シリアのアドリアーノ』、DHMからモニューシュコの歌劇『ハルカ』などの秘曲オペラの復活録音をリリースするなど、情感たっぷりに名作を生き生きと蘇らせています。
付属のボーナスDVDには、この曲の演奏をバックにしイメージした、オルリンスキ主演、セバスティアン・パンジック脚本演出、トマシュ・アグスティネク監督による短編映画(エフィー賞を受賞した制作会社Dobro Filmsによって制作)が収録されております。
※非常にホラー的な場面がございます。ご注意ください。
ワーナーミュージック・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2022/01/21)
Since his 2018 solo debut, Anima Sacra, countertenor Jakub Jozef Orliński has been increasingly visible in concert and on recordings. Here, Orliński offers a recording of Vivaldis Stabat Mater, RV 621, a core part of his voice ranges repertoire that tells the biblical story of Marys anguish at the cross, appropriately issued for the Easter season of 2022. This EP is accompanied by a short feature film written and directed by Sebastian Panczyk (on DVD for physical buyers and available digitally). The film portrays a modern interpretation of the Stabat Mater story alongside Orlińskis recording and gives him a chance to show off his acting ability. The countertenor is backed on this recording by the period-instrument ensemble Capella Cracoviensis and its director and organist, Jan Tomasz Adamus, an early music specialist. Capella Cracoviensis does well in this supporting role, and Orliński gives a justly sympathetic performance. The attractive qualities of his voice are fully on display, especially in the long melismatic sections, such as in the "Quis est homo" movement. With the re-emergence of the countertenor in recent times, it is not difficult to see why the charismatic Orliński has found success and a growing audience early in his career.
Rovi