"現ジャズ界で最も影響力のあるサックス・プレイヤー"の一人、マーク・ターナーの8年ぶりとなる新カルテット作品。2014年リリースの前カルテット作品『Lathe of Heaven』でもベースを担当していたジョー・マーティン以外は新メンバーとなり、NYを拠点に活動するトランぺッター、ジェイソン・パルマ―、カリフォルニアに拠点を置き、これまでウェイン・ショーターやハービー・ハンコックのツアー・バンドで参加してきた経験を持つドラマー、ジョナサン・ピンソンが参加。ポーランドのSF作家、スタニフワフ・レフによる1961年の作品「星からの帰還」にちなんだアルバム・タイトルで本カルテットのためにターナーが書いた全8曲を収録。 (C)RS
JMD(2022/02/09)
「現ジャズ界で最も影響力のあるサックス・プレイヤー」の一人、マーク・ターナーの8年ぶりとなる新カルテット作品。
2014年リリースの前カルテット作品『Lathe of Heaven』でもベースを担当していたジョー・マーティン以外は新メンバーとなり、NYを拠点に活動するトランぺッター、ジェイソン・パルマ―、カリフォルニアに拠点を置き、これまでウェイン・ショーターやハービー・ハンコックのツアー・バンドで参加してきた経験を持つドラマー、ジョナサン・ピンソンが参加。
ポーランドのSF作家、スタニフワフ・レフによる1961年の作品「星からの帰還」にちなんだアルバム・タイトルで本カルテットのためにターナーが書いた全8曲を収録。
メンバーにも十分なスペースが与えられた楽曲群で、ターナーとパルマーのインタープレイ、自由に動き回るリズム・セクションなど聴きどころ満載で、爽快感と思慮深い表現の弧を描いた注目作品。
〈パーソネル〉
マーク・ターナー(sax) ジェイソン・パルマ―(tp) ジョー・マーティン(b) ジョナサン・ピンソン(ds)
★2019年11月、ニューヨーク、シア・サウンド・スタジオにて録音
発売・販売元 提供資料(2022/02/08)
カルテット第一作『 Lathe of Heaven』から8年。今作ではベース以外のメンバーが代わった。楽曲の意匠に変化があったとは感じない。三つの楽器の旋律が交差するスリー・パートハーモニーが織りなすシンプルな音楽は変わらない。そしてオーネット・コールマン・カルテットのような熱はこの音楽からは聴こえてこない。解放のエネルギーが憑依したフリージャズはない。一音の逸脱が何かを乱してしまうそんな緊張感がこの音楽を満たす。禁則をそれぞれが理解した上で獲得され生成される自律的な音楽。バーラインは必要ないとストラヴィンスキーは語った。水平方向の自由を妨げる垂直指向をジャズから消去すること。それが彼の願い?
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.156(2022年2月20日発行号)掲載)