名手クリス・ポッターと独特編成のフランクフルト・ラジオ・ビッグバンドの共演
ストラヴィンスキー「春の祭典」にインスピレーションを受け実験精神に満ちた曲を演奏
ストラヴィンスキーの「春の祭典」は、20世紀を代表するクラシック音楽作品として知られている。この作品へのオマージュとして、フランクフルト・ラジオ・ビッグバンドとアメリカのテナーサックス奏者クリス・ポッターが共演したのが、本作。
元々はストラヴィンスキー・フェスティバルで上演するために、「春の祭典」へのオマージュとして新たに作曲された「Rituals」。この演奏は大成功を収め、クリス・ポッターとフランクフルト・ラジオ・ビッグバンドは、その全貌をもう一度スタジオで録音することにしたのだ。
ストラヴィンスキーの精神を受け継いだマクニーリーのコンポジション。複雑なリズムと調和のとれたスコアなど、明らかに「春の祭典」のサウンド・ランゲージにインスパイアされていることがわかる一方、マクニーリーはビッグバンドの標準的なラインナップを拡張し、フレンチホルン、ハープ、パーカッションを加え、更に「再生」という原曲には存在しない楽章を追加で作曲するなど、原曲の解釈・アレンジの域を越え大胆にも作曲の領域に踏み込んだ。
6つのパートからなる「Rituals」と、その後に続くのは、ポッターのカタログから、マクニーリーが大編成のオーケストラ用にリアレンジした4曲。「Dawn 」と「 Wine Dark Sea 」はアルバム「The Sirens」(ECM 2013)から、「The Wheel」は「Underground」(Sunnyside2006)、「Okinawa」はライブ・アルバム「This Will Be」(Storyville 2001) からの採用。
シュテフェン・ウェーバー、トニー・ラカトス、ハインツ=ディーター・ザウアボーン、アクセル・シュロッサーといったビッグバンドのミュージシャンもまたソリストとして類まれなる演奏を披露。サックスセットで多くのダブリングを提供でき、木管楽器奏者を有するなど、普通のビッグバンドにはない強みを多く持つフランクフルト・ラジオ・ビッグバンド。ジム・マクニーリーが要求する音の多彩さという点でも、まさにうってつけのコラボであったと言えよう。
発売・販売元 提供資料(2022/01/12)